猫野 流星

数論

行列のトレース計算で使える公式

行列のトレース(\( \mathrm{tr} \))に関する主な公式と性質は以下の通りです。これらは線形代数において非常に基本的で重要な性質です。意外に気が付かないのが、巡回性(積のトレース)と相似不変性です。行列のトレースの定義\( n ...
不等式

相加相乗平均の行列式版の関係

\(A, B \in M_n\) が正定値行列であるとき、次の不等式が成り立つ。\等号成立は \(A = B\) の場合に限る。この不等式は行列式に対する算術平均・幾何平均不等式と考えることができる。
数論

ゲルシュゴリンの円盤定理

数学者ゲルシュゴリンはあまり知られていませんが、その名を冠したゲルシュゴリンの円盤定理は、行列解析において非常に強力な手段となります。本記事では、この定理をご紹介します。ゲルシュゴリン円盤定理行列の固有値が複素平面上のどこに存在するかを制限...
代数

行列のいろいろな分解法

行列の分解は目的に応じてさまざまな分解法が存在します。代表的なものを体系的にまとめました。代表的な行列分解の一覧分解法形式適用対象主な用途・特徴LU分解 (LR分解)\(A = LU\) (L: 下三角, U: 上三角)正方行列(条件付きで...
数論

量子力学の不確定性原理:井戸型ポテンシャルを用いた考察

1. はじめに 量子力学は、原子や素粒子といった微視的なスケールにおける物質とエネルギーの振る舞いを記述する現代物理学の理論である。その中心にあるのが、1927年にヴェルナー・ハイゼンベルクによって提唱された不確定性原理である。 不確定性原...
不等式

一次拡張不等式を複素数の範囲で解く

複素数でも使える拡張不等式で複素数の範囲で不等式を解いてみます。
数論

順序数への申し送り

順序数とは文字通り順番を示す数の事ですが、数学ではもっと特別な意味を持つ数の事を言う場合があります。これから述べる順序数とは、カントールが考えた順序数の事なのですが、普通の定義をみるとなんだかよくわからない定義に見えます。というのは、カント...
数論

2次の虚代数体Q(√(-5))の秘事

代数体 \( \mathbb{Q}(\sqrt{-5}) \) は、類数が 1 でない代数体の一例です。代数体 \( \mathbb{Q}(\sqrt{-5}) \) の性質整数環\( \mathbb{Q}(\sqrt{-5}) \) の整...
数論

「解と係数の関係」を使う問題

\(f(x)=x^3+ax^2+bx+c\)とする。\(f(x)=0\)の解を\(α、β、γ\)とするとき、\((α-β)(α-γ)=3α^2+2aα^2+b\)であることを証明せよ。実はこれ、代数的整数論を勉強するときによく使われる恒等式...
数論

2次の実代数体Q(√2)の秘事

\(\mathbb{Q}(\sqrt{2})\)についてのまとめ情報です。\(\mathbb{Q}(\sqrt{2})\)は、実二次体です。この代数体は、有理数体\(\mathbb{Q}\)を除くと、最もよく取り扱われる実代数体です。ガロア...