プラスマイナス記号「±」は、、プラス記号「+」とマイナス記号「-」を合わせた記号です。

「±」記号は、2次方程式の解の公式でおなじみの記号で、読み方は「プラスマイナス」です。

 

プラスマイナス記号±の使い方

これは、符合だけ異なる二つの式を一つにまとめる時に使います。

例えば、

「a+b」と「a-b」の二つの式が合った場合、

もちろん、普通に、

「a+b」と「a-b」

とかいても良いのですが、二つの式の違いは、bを足すか引くかの違いです。

そこで、これら二つの式をまとめて、

「a±b」

と書くわけです。

ちなみに、この式の読み方は、

「えー ぷらすまいなす びー」

です。

 

マイナスプラス記号マイナスプラス記号「∓」の使い方

プラスマイナス記号がひっくり返った、マイナスプラス記号というのもあります。

この記号の意味は、「マイナス記号」と「プラス記号」をあわせた記号で、

読み方が、「マイナスプラス」とマイナスが先にくるため、プラス記号の上のほうにマイナス記号をくっつけた形になっています。

 

「a∓b」は、「a-b」と「a+b」の二つの式をまとめたもので、

「a±b」と書いた場合と同じ意味になります。

 

プラスマイナスもマイナスプラスも同じ意味になるため、

通常は、プラスマイナス記号を使います。

プラスマイナス記号「±」とマイナスプラス記号「∓」のことを複号(ふくごう)といいます。

二つの符号記号が一つの記号になっているからです。

 

複合同順の式の意味

 

さて、先程の式では、複号記号が式に1つしかでてきませんでした。

 

場合によっては、「a+b-c」と「a-b+c」の二つの式を一つにまとめたい場合があります。

この場合、

「a±b∓c」(複号同順)

と書きます。

複号同順と但し書きがある事に注目してください。

 

「a±b∓c」(複号同順)

とかいた場合、これは2つの式をまとめた式を表します。

この場合、「a+b+c」と「a-b-c」は除外されます。

 

複号同順と書いてある場合は、

複号の上側を取った場合と、下側を取った場合の

二つの式を表すことを意味しています。

 

ちょっと、似ていますが、

「a±b±c」(複号同順)

と書いた場合は、

「a+b+c」「a-b-c」の二つの式をまとめた式を意味しています。

 

「a∓b∓c」(複号同順)という書き方もなくはないですが、

この式と「a±b±c」(複号同順)は結果的に同じ意味になるので、

「a∓b∓c」(複号同順)という書き方はまずしません。

 

複号任意と書いた場合

「a±b±c」(複号任意)

のような式もたまにあります。

この場合は、4つの式をまとめた意味になっています。

つまり、「a±b±c」(複号任意)は

「a+b+c」「a+b-c」「a-b+c」「a-b-c」

の4つの式をまとめて書いているよ、という意味です。

 

複号部分がプラスの場合とマイナス場合のどちらも任意に選択して作った式を全てあわせた式なのです。

あまり使われることがありませんが、一つの式に3つの復号が含まれる場合もあります。

 

たとえば、「a±b±c±d」(複号任意)

この場合は、8個の式を一つにまとめた式と言えます。

 

なお念のため、「a±b±c±d」(複号同順)の場合は、2つの式をまとめた式です。

 

 

複号の複は複数の複、号は符号の号

まれに、「複号」の漢字を「復号」あるいは「複合」と書かれている場合が見受けられます。

意味が通じないわけでもありますが、誤変換の場合もありえます。

数学で使う場合、±の記号は、複号です。プラス「+」とマイナス「-」記号は符号と呼ばれます。

複数の符号を表しているから、複号なわけです。

±の記号に関しては、「号」や、「複」などと書きません。

これらは、別の意味になってしまいますので、

漢字変換する時には注意が必要です。

うっかり、「複合同順」とか「複合任意」と変換してしまう場合があり得ます。

 

 

マイナスプラスの文字の出し方

これまでの説明から、マイナスプラス記号「∓」がでてくるのは、複号同順の場合だけです。

なぜなら、通常はマイナスプラス記号「∓」はプラスマイナス記号「±」で置き換え可能だからです。

ですから、「∓」は漢字変換してもなかなか表示させることができません。

また、機種によっては表示できない場合もあり得ます(文字コードが割り当てられていない場合があるため)。

 

入力のしかたですが、

通常のかな漢字変換ソフトの辞書にはマイナスプラスの読みが登録されていないにで、

自分で辞書登録するしかなさそうです。

辞書登録する前段階では、「∓」をどこかから、コピーして利用するか、

コード変換で入力するかになります。

 

最近は見かけませんが、

マイナスプラス記号「∓」が入力できない場合、

「干す(ほす)」という漢字で代用する場合があります。

 

最近の機種は「∓」文字が表示できるようになってきたのですが、

一昔前では、マイナスプラス記号を表示させたい場合、

苦肉の策で、「干す(ほす)」という漢字の「干」を代用したのです。

この場合、表示のバランスから、

プラスマイナス記号の場合も、

漢字の「土(つち)」や「士(さむらい)」で代用したりしました。

 

 

プラスマイナス記号±は範囲を示す場合にも使われる

代数ではまずないので、余談ですが、誤差の範囲をプラスマイナスで表すこともよくあります。

たとえば、163±3というと、163-3から163+3、つまり160~166の範囲(幅)を表す数として使われることもよくあります。

 

プラスマイナスゼロは、これまたちょっとニュアンスが異なる

さらに余談ですが、

プラスマイナスゼロという言い方も時々されます。

これは範囲がゼロという意味ではなく、

プラスの数(正の数)とマイナスの数(負の数)が打ち消し合ってゼロになると言う意味です。

例えば、メリット(良い部分)が10あって、デメリット(悪い部分)が10合った場合、

合計すると10と10が打ち消し合って消えてしまうので、

総合的にメリット(デメリット)はプラスマイナスゼロという言い方をします。

 

 

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