無作為に自然数を選択したとき、それが偶数である確率は?
自然数は、偶数か奇数かどちらかである。
したがって、無作為に選んだ自然数が偶数である確率は、\(\frac{1}{2}\)
果たしてこれでよいだろうか?
自然数は無限にある。
自然数は無限に存在する。偶数も無限に存在する。したがって、無作為に選んだ自然数が偶数である確率は、\(\frac{∞}{∞}\)つまり不定。
果たしてこれでよいだろうか?
正解はない
(問題の意味が不明だから)正解はない。考え方次第ではなにがしかの答えがでるだろうが、この計算には無限の魔が介入しているため、画一的な答えが出せないのである。
無作為に選ぶ。
問題となるのは、無作為に自然数を選ぶこと。果たして、無作為に選ぶとは?無作為に自然数を選ぶことができるだろうか、できない、自然数が無限に存在するから。
しかし、偶数でなければ奇数でなければならない。無作為に選んだ自然数が偶数または奇数である確率は1である。これも、自然数を無作為に選んでるから答えは不定としてもよいだろう。無限に存在するものの中から無作為になにか選ぶという行為は不可能である。
なぜなら、なにかを選択した瞬間、それは作為的に選択したことになるから。
まあ、しかしだ、普通はこう考えるであろう。
それらしい答え。
nを任意の偶数とする。n以下の自然数を1つ選択したとき、それが偶数である確率Pは
\( P=\frac{[n/2]}{n} \le \frac{1}{2}\)である。
\[ \lim_{n→∞} \frac{[n/2]}{n} = \frac{1}{2}\]であるから、
したがって、\(P=\frac{1}{2}\)。
やっぱり、答えは\(\frac{1}{2}\)だ。
ちなみに、奇数である確率
奇数である確率をQとすると
\( Q=\frac{[(n+1)/2]}{n} \ge \frac{1}{2}\)である。
\[ \lim_{n→∞} \frac{[(n+1)/2]}{n} = \frac{1}{2}\]
であるから、\(Q=\frac{1}{2}\)
まとめ
無作為に選んだ自然数が偶数である確率は、答えることができない。なぜならば、無作為に自然数を選ぶこと自体が不可能な行為であるから。
ただし、十分に大きい自然数N以下の中から無作為に選んだ自然数が偶数である確率は、\(\frac{1}{2}\)以下で、その極限は\(\frac{1}{2}\)である。
広告