ルート3とは
ルート3とは、2乗して3になる正の実数(プラスの実数)の事です。
ルート3は、分数で書き表すことができない数です。
分数で書けない実数を無理数と言いますが、ルート3は分数で書けないので無理数と呼ばれています。
ルート3の近似値は小数を使って表すことができて、具体的に書くと、
1.7320508075…
と小数点以下が無限に続く小数となります。
無限に続いて正確に書きあわわす事ができないので、ルート3のことを
\(\displaystyle \sqrt{3}\)
という記号を使って書き表します。
\(\displaystyle \sqrt{ }\)
の部分をルートと呼びますが、ルートの事を根号(こんごう)ということもあります。
ルートを英語で書くとrootなのでその頭文字rからこの記号が生まれたと言われています。
ルート√の形をよくみると、英語のrに似ていると思いませんか?
また、2乗することを平方(へいほう)とも言うのですが、
ルート3は、平方して3になる数なので、
3の平方根ということもあります。
ルート3の神秘
ルート3は、ルート2と同じようによく使われる平方根です。
計算式にもよく出現してきます。
どうしてかというと、ルート3は、角度の3等分に密接に関係している数だからです。
180度を3等分すると60度になりますよね、この60度にルート3はめちゃくちゃ関係します。
60度といえば、正三角形。
正三角形の一つの角度は60度です。
なので、正三角形にはルート3が付きまとっています。
蛇足ですが、正方形(正四角形)にはルート2、
正五角形にはルート5、
正6角形にはルート3
が関係してきます。
正2角形というのは、実際には作ることができませんが、
このことがルート2にも影響して、
2という数は非常に特殊な振る舞いをします。
話がそれましたが、ルート3は正三角形にめちゃくちゃ関係しますので、正三角形の問題があれば、そこにルート3がでてくる可能性は高いです。
ルート3の計算
ルート3が含まれた式の計算ですが、文字式と同じようにやります。
例えば、
\(\displaystyle (1+\sqrt{3})^2\)
を計算したい場合、
\(\displaystyle \sqrt{3}\)の部分を文字aと思って、
\(\displaystyle (1+a)^2\)
を計算するようにします。
\(\displaystyle (1+a)^2\)
\(\displaystyle =1+2a+a^2\)
ですから、
\(\displaystyle (1+\sqrt{3})^2\)
\(\displaystyle =1+2\sqrt{3}+\sqrt{3}^2\)
です。
ただ、一つだけ文字式と違うところがあって、
\(\displaystyle \sqrt{3}^2\)
がでてきたら、そこを3に置き換えます。
ここだけルートの性質を適用します。
なので、
\(\displaystyle 1+2\sqrt{3}+\sqrt{3}^2\)
\(\displaystyle =1+2\sqrt{3}+3\)
\(\displaystyle =4+2\sqrt{3}\)
が答えになります。
ルート3計算のテクニック
実は、分数とルート3しかない式は、必ず
\(\displaystyle ○+□\sqrt{3}\)
の形になります。
○や□の部分は、分数(整数の場合も含む)が入ります。
文字式の場合、
\(\displaystyle \frac{1}{1+a}\)
という式はどうやっても、
\(\displaystyle ○+□a\)
の形に変形することができません。
ところが、ルート3では二乗すると3になる性質をつかって変形できます。
この操作のことを(分母の)有理化といいます。
例で見た方がわかりやすいので例で説明します。
\(\displaystyle \frac{2}{3+4\sqrt{3}}\)
を有理化するには、まず、
分母の
\(\displaystyle 3+4\sqrt{3}\)
の\(\displaystyle \sqrt{3}\)の前の(係数の)符号を見ます。
この場合、+4なのでプラスです。
この符号を逆転します。
プラスだったらマイナス、
マイナスだったらプラス、
というように。
+4の符号を逆転されると-4です。
ここからがテクニックです。
分母のルート3の前の符号を逆転した数を
分母と分子に掛けます。
つまり、今の例では、
\(\displaystyle 3-4\sqrt{3}\)を
分母と分子に掛けます。
すると、
\(\displaystyle \frac{2}{3+4\sqrt{3}}\)
\(\displaystyle =\frac{2(3-4\sqrt{3})} {(3+4\sqrt{3})(3-4\sqrt{3})}\)
\(\displaystyle =\frac{6-8\sqrt{3}} {9-(4\sqrt{3})^2}\)
\(\displaystyle =\frac{6-8\sqrt{3}} {9-16 \cdot 3}\)
\(\displaystyle =\frac{6-8\sqrt{3}} {-39}\)
\(\displaystyle =-\frac{6}{39}+\frac{8}{39}\sqrt{3}\)
\(\displaystyle =-\frac{2}{13}+\frac{8}{39}\sqrt{3}\)
となって、
\(\displaystyle ○=-\frac{2}{13}, □=\frac{8}{39}\)
にすれば、
\(\displaystyle ○+□\sqrt{3}\)の形になりました。
実際に、\(\displaystyle \sqrt(3)≒1.732050808\)
と近似して、計算すると、
\(\displaystyle \frac{2}{3+4 × 1.732050808}\)
\(\displaystyle ≒0.2014463194663177\)
\(\displaystyle =-\frac{2}{13}+\frac{8}{39}× 1.732050808\)
\(\displaystyle ≒0.2014463195897436\)
近似計算なので誤差がありますが、有効桁を考えると計算が正しくできていることがわかります。
ルート3の近似値を求める方法
長くなったので別記事にしました。
よろしければどうぞ。