数論的な問題はその問題の意味は簡単にわかるが、証明が難しいものが多い。ある程度の有限数(たとえば10000)であればコンピュータで検証できる可能性がある。コンピュータで計算できる範囲で反例がみつかれば、そこで問題は解決であるが、なかなか反例が見つからないものも多い。
ディオファントス方程式
整数解(もしくは自然数解)が有るのか無いのか、有るのならどれくらいあるのか、またそれらは具体的に求められるのか、列挙できるのか、一つの等式でもいろいろなレベルの問題を含んでいる。
有名なのは、フェルマーの大定理にでてくる等式
\(a^n+b^n=c^n\)
の自然数解があるのかどうかであったが、未解決問題ではなくなった。
フェルマー=カタラン予想
フェルマーの大定理をさらに一般化した不定方程式の解について未解決な部分が多い。
\(\displaystyle a^m+b^n=c^k,\frac{1}{m}+\frac{1}{n}+\frac{1}{k}<1\)
ビール予想
\(A,B,C\)を互いに祖な自然数とする。この時、\(A^x+B^y=C^z\)は解をもつか。
ピライの予想
\(Ax^n-By^m=C\)
逆数型
\(\displaystyle \frac{4}{k}=\frac{1}{a}+\frac{1}{b}+\frac{1}{c}\)
k=1の場合は、解がないことがわかるが、kが2以上の場合に必ず自然数解をもつかどうか。
5乗のタクシー数
2個の5乗数の和として2通りに表される正の整数は今(2004年)のところ知られていない。
2個の4乗数の和として2通りに表される数の例:
\( 59^4+158^4=133^4+134^4 =635318657\)
ゴールドバッハの予想
全ての 2 よりも大きな偶数は二つの素数の和として表すことができる
問題の意味はすごく簡単。100ぐらいまでは正しいことが確認できる。しかし証明するどころか、手がかりもえなく、手も足もでない問題。
コラッツの予想
「n が偶数の場合、n を 2 で割る」、「n が奇数の場合、n に 3 をかけて 1 を足す」という操作を繰り返す。nがどんな自然数であっても必ず1 に到達する。
実際は難しいのだろうがなんとなくできそうな感じのする問題。もちろん、私には肯定的にも否定的にも証明することができない。素数がからんでいるのかどうかもわからない。問題だけみると素数(2,3を除くとして)の性質とは無関係に思える。
ルジャンドル予想
任意の自然数 n について、\(n^2\) と \((n + 1)^2\) の間には必ず素数が存在する
nが大きくなるにつれて素数の出現密度が少なくなっていくとはいえ、\(n^2\) と \((n + 1)^2\)の間隔が広がっていくので、この命題は正しそう。しかし、難しい。手も足もでない。
双子素数
双子素数(差が 2 である2つの素数の組)が無数に存在するか。
これも素数に関する問題で、初等的な形式で示される数論の問題はよく素数が絡む。
友愛数
a,bを異なる自然数とする。
aのaと異なる約数の和がbであって
bのbと異なる約数の和がaである時、
aとbは互いに友愛数であるという。
友愛数の例:
( 220, 284 ),
( 1184, 1210 ),
( 2620, 2924 ),
( 5020, 5564 ),
( 6232, 6368 )
(1)偶数と奇数の組合せの友愛数(結婚数)は存在するか?
(2)友愛数は無数に存在するか?
完全数
自然数nの約数の和が2nのときnを完全数と呼ぶ。
(1)完全数は無数に存在するか?
(2)奇数の完全数は存在するか?
不思議数
過剰数のなかで、約数の部分和を作っても自分自身にならない自然数を不思議数と呼ぶ。
例:70
(1)奇数の不思議数は存在するか?
オアの調和数
約数の調和平均が自然数になるときオアの調和数と呼ぶ。
(1)オアの調和数は無数に存在するか?
(2)奇数の調和数は存在するか?
(3)調和平均が4の倍数になる自然数は存在するか?
社交数
n個組の友愛数ともいえる。
(a1,a2,a3,…,an)がn組の社交数であるとは、
a1のa1と異なる約数の和がa2であって
a2のa2と異なる約数の和がa3であって
…
anのanと異なる約数の和がa1であるとき。
2個組の社交数と、友愛数は同じ関係である。
(1)3個組・7個組・10個組の社交数が存在するか?
(2)何個組までの社交数が存在するのか?
(3)社交数は無数に存在するのか?
—–番外(解決済)
ベルトラン(Bertrand)の仮説 (1845)
任意の自然数nに対して、n<p≤2nを満たすような素数 p が少なくとも一つ存在する。
ポール・エルデシュ
「任意の自然数 k に対して、ある自然数 N を取ると、任意の自然数 n > N に対して、n と 2n の間に 素数が少なくとも k 個存在する」
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