a+b+c=abcの整数解

整数解を求める問題だが、割と有名なので、解き方を知らなくても解は知られている。

a=1,b=2,c=3である。解が連続した数で並んでいるので、数のバランスの良さを感じる。

有名な問題であるのだが、出題されるときはほとんど、自然数の範囲で解を求めることが多い。

ここでは、それを少し発展させて整数解すなわち、負の整数解も含めて求めてみる

 

準備体操として2変数の場合に寄り道

本題を解く前に、2変数版の不定方程式の解を求めてみる。

つまり、\(a+b=ab\)の整数解である。

この問題は、整数問題の基本の基本、(整数の式)(整数の式)=(素因数分解)という整数の積の形から攻める典型例である。

問題の式を変形すると、

\(ab-a-b=\)は、
\((a-1)(b-1)=1\)と積の形にもっていける。

二つの整数を掛けて1になるのは、1×1の場合か、(-1)×(-1)の場合しかない。

a-1=1,b-1=1の場合、a=2,b=2と整数解が求められた。

a-1=-1,b-1=-1の場合、a=0,b=0と整数解が求められた。

したがって、\(a+b=ab\)の解は、\((a,b)=(0,0),(2,2)\)の2組。

 

それでは本題

2変数のときは、積の形に変形できたが、本題は3変数で3次である。

(整数の式)(整数の式)(整数の式)=(整数) の形に変形できれば2変数の場合と同様の手口で解けるが、そううまくは行かない。

やり方を知っていればどってことないのだが、この3変数の場合は、変数の範囲を絞り込んでとく。

問題の式が対称式なので、a≦b≦cの条件を追加して考えて良い。ここがミソ。この不等式から変数の範囲を絞り込む。

\(3a=a+a+a≦a+b+c≦c+c+c=3c\)であるから、\(a+b+c=abc\)を当てはめると、\(3a≦abc≦3c\)

これから、二つの不等式が得られる。すなわち\(3a≦abc、abc≦3c\)である。

a,b,cが正(つまり自然数)という条件の元では、すんなりaやcで除して\(3≦bc、ab≦3\)から、

\(0<ab≦3\)より、a,bの組み合わせが限定され、最終的に、a≦b≦cの条件の元では、a=1.b=2.c=3を得る。

 

a,b,cの中に0がある場合

引き続き、a≦b≦cの条件で考える。

a=0の場合

問題の不定方程式は、b+c=0となる。がa=0≦b≦cの条件の元では、b=c=0のみが解となる。

b=0の場合

問題の不定方程式は、a+c=0となる。a≦b=0≦cの条件で考えることになるが、任意の自然数cに対してa=-cとすればこれは解になっている。つまり解は無限にある。

c=0の場合

a=0の場合と同様に、a=b=c=0の場合が解となる。

 

以上をまとめると、a≦b≦cの条件では、tを0以上の整数として、a=-t,b=0,c=tが解であることがわかる。

a<0<b≦cの場合

つまり、aだけが負でb,cが正の場合に解があるであろうか。

上記で考えたように、\(3a≦abc、abc≦3c\)はそのまま使える。符号に注意してa,cで除すると

\(3≧bc、ab≦3\)となり、\(3≧bc>0\)からb,cの範囲が絞りこめる。

この場合、(b,c)=(1,1),(1,2),(1,3)の組み合わせが候補になるが、残念ながら、a<0の条件では解がない。

a≦b<0<cの場合

この場合は、0<abであるから、0<ab≦3から、a,bの範囲が絞りこめる。

(a,b)=(-3,-1),(-2,-1),(-1,-1)の組み合わせ候補があるが、この場合も0<cの範囲では解がない。

a≦b≦c<0の場合

最後の場合分けだ。

やり方は、これまでと同じだ。

結果的に、(a,b,c)=(-3,-2,-1)を得る。

 

a+b+c=abcの整数解

これまでのパターンをまとめると、この不定方程式の整数解は、

(a,b,c) = (1,2,3), (1,3,2), (2,1,3), (2,3,1), (3,1,2), (3,2,1), (-1,-2,-3), (-1,-3,-2), (-2,-1,-3), (-2,-3,-1), (-3,-1,-2), (-3,-2,-1), (0,-t,t),  (-t,0,t), (-t,t,0) ただしtは任意の整数

となる。

 

解いた後の感想

場合分けが多いが、地道にやれば解ける問題だった。

a,b,cに0が含まれると無限に解がつくれてしまったが、a,b,cが自然数の場合を考える。

問題の不定方程式の両辺をabcで割ると

\[\frac{1}{bc}+\frac{1}{ac}+\frac{1}{ab}=1\]

という不定方程式になる。

ここで\(X=bc,Y=ac,Z=ab\)とおくと、\(1/X+1/Y+1/Z=1\)の自然数解を求める問題となる。

単位分数の和となる自然数で\(1/X+1/Y+1/Z=1\)の自然数解は求めた。

そのようなX、Y、Zの組は10組あったが、\(XYZ=(abc)^2\)なので、XYZが平方数になるものだけを選ぶ。

すると、X,Y,Zの組み合わせは、2,3,6の組み合わせしか無い。

これからa,b,cを求めることもできる(ただし自然数解)。ちょっと遠回りするけど別のやり方でも同じ答えがでました。