無限がからんだパラドックスには、ある共通点がある。パラドックスの本質ともいえる共通点でさるが、パラドックスがパラドックスと呼ばれてきただけあって、それをズバリ説明することはなかなか難しい。

難しい概念や用語を使って説明したところで、その概念や用語の意味が不確かであるならば、説明したとはいいきれないだろう。

やはり、数学的な記述で説明することが、最も誤解がすくなくまた、論理的で検証の過程を蓄積するには適したていると考える。

無限パラドックスの例

よく知られた無限パラドックスの例としては、

 

などがある。わかれば他にも色々作ることができるが、ここでは、これらの共通点を考える。

有限の中に無限がある

共通しているのは、有限の中に無限があるということだ。どういうことかというと、「有限の長さである線分の中に無限の点が存在している」ということで言い尽くされる。

長さとしてみれば、有限だが、それを構成している点が無限にあるといってもよい。

アキレスと亀の例をこの線分で例えると、アキレスという点が0の地点から1の地点に移動していると考える。亀に追いついた時の地点がどこかにあるはずだが、単純化してそれを1/2としよう。

次に亀に追いついた地点を3/4の地点、さらにその次に追いついた地点を7/8と、追いついた地点がいくらでも存在するというのがアキレスと亀の内容だ。

アキレス点は1の地点にたどり着くのだが、その過程で、無限の追いつき点を通過する、追いつき点が無限にあるから、1にたどり着くはずがない。

数学的にもう少し形式化して書くと、閉区間[0,1]集合から、点を取り出す操作を考える。最初は、1/2、次は3/4、さらにその次として7/8の点を取り出す。繰り返して、(2n-1)/2nの点を次々にとっていくことができる。点はいくらとってもなくならないから、1は永遠に取り除かれない(到達することがない)。

ヒルベルトのホテルはちょっと志向が違うが、自然数nを1/nに対応して考えると、閉区間[0,1]のなかから点を取る操作に置き換えられる。1を1/2、1/2を1/4、1/4を1/8に移動すると、閉区間[0,1]と半閉区間[0,1)とに対応ができる。この操作で、1の位置を空けることができる。

つまり、線分ともいえる閉区間[0,1]からは、無限に点を取ることもできれば、無限に点を押し込むこともできる。これが当たり前と思わないのがパラドックスの原因といえる。

ここでは有限の長さとして線分を取り扱ったが同じ次元である時間を考えてもかまわない。

1秒経過の間に無限の瞬間を通過している