ある数列が収束するのか、発散するのか見極めることを収束判定という。
一般に与えられた数列が収束するのか発散するのかの判定は難しいが、等比数列に帰着できる数列の場合、容易に判定できる。
等比数列の収束判定
初項aで公比rの等比数列の一般項は、\(a r^{n-1}\)で表される。
この数列\(a_n=a r^{n-1}\)は、公比rの値によって、収束するときもあれば、発散するときもある。
- 1<rの場合、\(a_n\)は∞に発散する
- r=1の場合、\(a_n\)は1に収束する
- -1<r<1の場合、\(a_n\)は0に収束する
- r=-1の場合、\(a_n\)は発散する(振動)…\(|a_n|\)は1に収束する
- r<-1の場合、\(a_n\)は発散する(振動)…\(|a_n|\)は∞に発散する
例題:等比数列となる漸化式で表された数列の収束判定
問題
\(a_1=2,2a_{n+1}=-a_n+3\)で定義される数列\(a_n\)を収束判定をせよ。
解き方
- この漸化式は一般項を求めることができる。
- 一般項から収束判定する。
解答
漸化式は\( (a_{n+1}-1)=-\frac{1}{2}(a_n-1) \)と変形できる。
従って、\(b_n=a_n-1\)と置くと、
\(b_n\)は、初項\(a_1-1=2-1=1\)、公比-1/2の等比数列になる。
等比数列の収束判定の公式から、この\(b_n\)は、極限値0に収束する。
従って、\(a_n=b_n+1\)は収束してその極限値は1
答え 数列\(a_n\)は、1に収束する。
考察
- この例題の場合、初稿は収束判定に全く影響を与えていない。
- 等比数列の収束判定は公比で決まる。
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