[msg#wsiki]
問題
\(\displaystyle x_1,x_2,x_3,\cdots,x_n,\cdots\)
を初項-1,公差がd(≠0)の等差数列とする。
a>1に対して、
\(\displaystyle a^{x_1},a^{x_2},a^{x_3},\cdots,a^{x_n},\cdots\)
のはじめのn項の和が\(\displaystyle 1-a^{nd}\)であった。
無限級数
\(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} a^{x_n}\)
の収束、発散を調べ、収束ならその和を求めよ。
解き方
この問題では、n項までの和が式として与えられていますから、
すぐに、|ad|<1であれば収束ということはわかります。
しかし、|ad|<1がどのようなa,dの場合に成立するのかを調べなければなりません。
それがこの問題の本当に調べなければならない部分になります。
一般に、数列が収束するかどうかの判定は難しいのですが、
この問題の場合、数列\(\displaystyle \{a^{x_n}\}\)が等比数列であることを見破れば一気に問題が解決します。
数列が、等差数列や等比数列であれば、公式がありますから、級数の和を求めることは容易となります。
また、等比数列は、指数部分をみると(対数でみると)等差数列となる関係があります。
それでは解き方を示します。
まず、\(\displaystyle \{a^{x_n}\}\)がが等比数列であることを調べます。
\(\displaystyle a^{x_n} = a^{-1+(n-1)d}=\frac{1}{a} a^{d(n-1)}\)
であるので、これは、初項\(1/a\)、公比\(a^d\)
の等比数列です。
したがって、n項までの和が求められます。
n項までの和をSnとすると
\(\displaystyle s_n=\frac{a^{-1}(1-a^{dn})}{1-a^d}\)
でこれが
\(\displaystyle 1-a^{nd}\)
と同じであったということからa,dの制約条件がわかり、この条件のもとで収束判定を行います。
解答
n項までの和をSnとすると
\(\displaystyle s_n=\frac{a^{-1}(1-a^{dn})}{1-a^d}\)
であるから、
\(\displaystyle s_n=\frac{a^{-1}(1-a^{dn})}{1-a^d}=1-a^{nd}\)
(1)1-and=0の場合
このような条件が成立するためには、a=1または、d=0であるが問題文よりこのような場合は除外されている。
(2)1-and≠0の場合
\(a^{nd}=1-a^{-1}\)
であるから、問題の条件のa>1を適用すると
|ad|<1である。
したがって、この場合、Snは収束し、その収束値は1である。
答え
無限級数
\(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} a^{x_n}\)
は収束し、その収束値は1である。
その他の問題: 数列の極限の問題一覧
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