[msg#wsiki]
問題
無限数列{an}の第n項までの和が1-pnで表されるとする。
p>1のとき、次のおのおのの和を求めよ。
(1)
\(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{a_n}\)
(2)
\(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{a_n a_{n+1}}\)
解き方
ある、数列が与えられたとき、その逆数の和を求めるのは、一般的にかなり難しい問題になります。
ある特別な関係式がある数列の時に逆数の和を求めることができますが、そのためにはその数列の特徴をよく捉える必要があります。
(1)について
この問題の場合、まず一般項をもとめ、それから逆数の和を考えます。
部分和がわかっているので、その階差数列から一般項anを求めることができます。
すなわち、
\(\displaystyle a_n=(1-p^{n+1})-(1-p^n)\\=p^n(1-p)\)
ですから、
\(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{a_n}\)
\(\displaystyle =\sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{p^n(1-p)}\)
これが初項、
\(\displaystyle \frac{1}{1-p}\)
公比
\(\displaystyle \frac{1}{p}\)
の等比数列の和であることを見破れば簡単に解けるのですが、
ある種のひらめきがないと思いつきません。
ひらめきは、訓練するのみですが、出題された問題はかならず解けるように、なっているので等差数列か等比数列に変形できないか試行錯誤して調べます。
(2)について
\(\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{a_n a_{n+1}}\)
\(\displaystyle =\sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{p^n(1-p) p^{n+1}(1-p)}\)
\(\displaystyle =\sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{p(1-p)^2} \left(\frac{1}{p^2}\right)^n\)
分数の場合、部分分数に分解すると、問題が単純化される場合が多いのですが、この問題の場合は部分分数の適用はありませんでした。(1)と同様に等比数列であることを見破ればできます。
解答
(1)
問題の級数は、
初項、
\(\displaystyle \frac{1}{1-p}\)
公比
\(\displaystyle \frac{1}{p}\)
の等比数列からなる級数で、p>1よりこの級数は収束し、公式より、
\(\displaystyle \frac{1}{1-p} \frac{1}{1-1/p}\)
\(\displaystyle =\frac{1}{1-p} \frac{p}{p-1}\)
\(\displaystyle =\frac{-p}{(p-1)^2} \)
(2)
問題の級数は、
初項、
\(\displaystyle \frac{1}{p(1-p)^2}\)
公比
\(\displaystyle \frac{1}{p^2}\)
の等比数列からなる級数で、\(p^2 \gt 1\)よりこの級数は収束し、公式より、
\(\displaystyle \frac{1}{p(1-p)^2} \frac{1}{1-1/p^2}\)
\(\displaystyle =\frac{1}{p(p-1)^2} \frac{p^2}{p^2-1}\)
\(\displaystyle =\frac{p}{(p-1)^3(p+1)} \)
答え
(1)
\(\displaystyle \frac{-p}{(p-1)^2} \)
(2)
\(\displaystyle \frac{p}{(p-1)^3(p+1)} \)
その他の問題: 数列の極限の問題一覧
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