数学の記号「=」
数学での記号「=」には大きく二つの意味があります。
- 等しい:二つのものが等価(同じ)とみなせる(等価の関係にある)
- 代入:あるものを別のもに代入する(置き換える)
見ただけでは、両者の見分けがつきませんんから前後の文脈から判断しなければなりません。
この違いに気が付いてないと、数式の意味がわからず、数学が苦手になると思います。
数式を読むときには数式前後の文脈の流れも把握する
ある数式の添え字が間違えて書かかれていたとしましょう。数式だけみていては、それが間違っていることに気が付くはずがありませんから、その数式の意味解釈に頭は混乱し悩みはじめるはずです。
文脈がわかってれば、数式の意味もよくわかります。ですから、ちょっとしたタイポなど、文脈の流れがわかっていれば、すぐに間違いだとわかります。
比較記号としての「=」
左辺と右辺が等しいことを表すために使います。
例: A=B+C
これは、「AとB+Cが等しい関係にある」と言う意味になります。
代入記号としての「=」
左辺の変数を右辺で定義するという意味です。
例: A=B+C
これは、「B+CをAとする」という意味です。Aという変数をB+Cで定義するという意味ともいえます。
Aの定義式でもありますが、Aが定義された瞬間、AとB+Cが等しい関係にあるので、比較記号としても意味を成す式となります。
同じ、A=B+Cでも、Aが定義されていたものなのか、これから定義するものなのかは、文脈で判断します。
コンピュータ言語では明確に区別されている
コンピュータは内部処理する時、関係式(比較)の「=」と代入式の「=」はきっちり別の処理として明確に区別しています。文の構造から「=」がどちらの意味であるか判断し、内部処理として比較処理を行ったり、代入処理を行っています。
明示的に区別したい場合
コンピュータ言語の本などみると、変数Aへの代入の式は A:=B+C のように「=」の代わりに「:=」という別の記号を使って区別することもよくあります。
数学の場合、「:=」記号はあまりつかわず、
\( \overset{def}{=} \) \( \underset{def}{=} \)
のように、等号の上や下に「def」を付け足すこともあります。
まとめ
- 「=」記号には、関係式(比較)と、代入式の二つの意味で使われている。
- 「=」がどちらの意味で使われているのかは、文脈で判断できる。
- 文字上でも明示的に区別したい場合、代入式の記号として「:=」がよくつかわれる。数学では、「=」の上や下に、「def」と書いて区別する場合も多い。
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