はじめに
2017年数学オリンピック予選の問題で1000!の素因数分解に関係する問題がでました。さすがはオリンピック、桁が違います。
問題と回答は、こちら問題と解答。
ここでは、階乗の数を素因数分解する問題を解きます。
問題
よくある問題は、「100!を計算したら末尾にゼロが何個並ぶか。」という問題です。100!を素因数分解したときの2の指数と5の指数の小さい方の個数分だけ末尾にゼロが並びます。
指数の求め方
100!を素因数分解したら、
\(100!=2^{φ(2)} 3^{φ(3)} 5^{φ(5)} … 97^{φ(97)}\)
の形に素因数分解されます。φ(2)など、指数部分には自然数が対応します。
素数pに対して、100!のφ(p)を求めるには、次の式で計算できます。
\[φ(p)=\left[\frac{100}{p}\right]+\left[\frac{100}{p^2}\right]+\left[\frac{100}{p^3}\right]+\left[\frac{100}{p^4}\right]\cdots\]
上記の大かっこ\(\left[ x \right]\)の記号は、切り捨ての記号です。ガウス記号とも呼ばれます。
例えば、\(\left[ 12.5 \right]=12\)
という具合に小数点以下は切り捨てられます。
ガウス記号は、整数問題でたまに、出てきますね。
このやり方で、1000!の5の指数を求めると
\[φ(5)=\left[\frac{1000}{5}\right]
+\left[\frac{1000}{25}\right] +\left[\frac{1000}{125}\right]
+\left[\frac{1000}{625}\right]+\cdots=249\]
となりますので、1000!は、末尾に249個のゼロが並ぶことになります。
ちなみに、
\[\left[\frac{100}{5}\right]+\left[\frac{100}{5^2}\right]+\left[\frac{100}{5^3}\right]\cdots=24\]
100!=93326215443944152681699238856266700490715968264381621468592963895217599993229915608941463976156518286253697920827223758251185210916864000000000000000000000000
ですすから、計算通りゼロが24個ならんでいます。
おまけの問題
正しいのは、どちらか
(ア)[0.999…]=1
(イ)[0.999…]=0
(ウ)[0.999…]=0.9
正解は・・・
(ア)[0.999…]=1です。
なぜならは、0.999…=1なので、[0.999…]=[1]=1となります。
簡単すぎでしたか。
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