数学問題2011年静岡大第2(奇素数の問題)

静岡大学 2011年 第2問

問題

(1)pを2と異なる素数とする。\(m^2=n^2+p^2\)を満たす自然数の組\(m,n\)がただ一つ存在することを証明せよ。

(2)\(m^2=n^2+12^2\)を満たす自然数の組\(m,n\)を全てもとめよ。

(1)は、奇素数の問題です。なぜか、p=2の場合はダメなんですね。

解答

(1)

\(m^2=n^2+p^2\)より、

\(m^2-n^2=p^2\)
\((m+n)(m-n)=p^2\)

m,nは自然数(0でない)から\(m+n \ne m-n\)で、さらにいうと\(m+n \gt m-n\)である。

右辺の分解はpが素数であることから\(m+n=p^2,m-n=1\)しかありえない。

これを解くと、\(m=(p^2+1)/2,n=(p^2-1)/2\)。

pが奇数なら、\(m,n\)は自然数となるから、これがただ一つの解である。

(2)

考え方は、(1)と同じですが\(p^2\)と違って、\(12^2\)は二つの積に分ける方法が何通りもあるので、それぞれをチェックするのが大変ですが、地道にやれば解けます。

\((m+n)(m-n)=12^2=2^4 3^2\)より、

\(m+n=2^4 3^2=144,  m-n=1   ☓\)
\(m+n=2^3 3^2=72,  m-n=2\)
\(m+n=2^2 3^2=36,  m-n=2^2=4\)
\(m+n=2^1 3^2=18,  m-n=2^3=8\)
\(m+n= 3^2=9,  m-n=2^4=16   ☓\)

\(m+n=2^4 3=48,  m-n=3   ☓\)
\(m+n=2^3 3=24,  m-n=2^1 3=6\)
\(m+n=2^2 3=12,  m-n=2^2 3=12   ☓\)
\(m+n=2^1 3=6,  m-n=2^3 3=24   ☓\)
\(m+n= 3,  m-n=2^4 3=48   ☓\)

\(m+n=2^4=16,  m-n=3^2=9   ☓\)
\(m+n=2^3=8,  m-n=2 3^2=18   ☓\)
\(m+n=2^2=4,  m-n=2^2 3^2=36   ☓\)
\(m+n=2,  m-n=2^3 3^2=72   ☓\)
\(m+n= 1,  m-n=2^4 3^2=144   ☓\)

これらのなかから、\(m,n\)が自然数になる組をもとめると、

\((m,n)=(37,35),(20,16),(15,9),(13,5) \)
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コメント

  1. 後藤武史 より:

    算数問題です。
    『二つの整数ア、イがあり、アはイより大きいです。このとき、ア×イ×(ア+イ)×(ア-イ)
    が3で割り切れる理由を説明しなさい。』
    不明なときはブログgontanoeを検索してください。

    • 猫野 流星 より:

      n>mのとき、nm(n+m)(n-m)が
      3の倍数であることを示せばよいわけですね。
      ※n,mを(自然数でなく)整数とするのなら、n>mの条件はなくてもよいと思います。

      • gonta より:

        仰せのとおり、自然数として、n>mは不要ですね。
        実は、難しい理屈でなく、式の変形だけで、下記ように説明できると思いましたが、「三個の数が等間隔離れた数であるとき一つは3の倍数である」と初めから言いきっていいかどうか不明です。説明『nm(n+m)(n-m)=m(n+m)n(n-m)で、(n-m)n(n+m)は三個の数が等間隔離れた数でmが3の倍数でないならこれらの項のうちのどれか一つは3の倍数である。mが3の倍数なら与式は当然に3の倍数である。以上から与式は常に3の倍数である。』

        • 猫野 流星 より:

          なるほど、与式は常に3の倍数になりますね。

          5,14,23のように、間隔が3倍数の場合は、どれも3の倍数にはならないですね。
          しかし、間隔が3の倍数でない場合、等間隔の数のうちの一つは3の倍数になります。

          このことは、はじめからは言い切れない事だと思います。
          n=3h,n=3h+1,n=3h+2と
          m=3k,m=3k+1,m=3k+2の
          9パターンの組み合わせで考えるやりかたもありますね。

      • 後藤武史 より:

        実は、ピタゴラス数の一般式の求め方を、探していて、それは「長方形を対角線で折って出来る、重ならない部分の三角形」から、見つかったのですが、「ピタゴラス数の三数の積が60の倍数である」を、先ほどの式の変形で説明する事ができ、大変興奮しました。ブログに来年だしたいと思っていますので訪問してみて下さい。

        • 猫野 流星 より:

          なるほど、

          言われてみれば
          ピタゴラス数の積は60で割り切れていますね。

          φ(..)

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