天才数学者ラマヌジャンのタクシー数の研究 で2通りの3乗和で表すことのできる自然数を求め、素因数分解したときに、でてくる素因数がかなり限定的だったのがきになって、もう少し大きい数でも調べてみました。
2通りの3乗和で表すことのできる自然数
2通り(以上の)の3乗和で表すことができる自然数\(n\)とは、
\(n=a^3+b^3=c^3+d^3\)
ただし(a,b,c,dは互いに素)
となる自然数a,b,c,dが存在する\(n\)の事をいいます。
このような自然数nで最小のものはタクシー数と呼ばれ、よく知られているように1729です。
\(1729=12^3+1^3=10^3+9^3\)
他にどのような数があるかというと、
\( 4104 = 16^3 + 2^3 = 15^3 + 9^3 = 2^3・3^3・19 \)
\( 20683 = 27^3 + 10^3 = 24^3 + 19^3 = 13・37・43 \)
\( 39312 = 34^3 + 2^3 = 33^3 + 15^3 = 2^4・3^3・7・13 \)
\( 40033 = 34^3 + 9^3 = 33^3 + 16^3 = 7^2・19・43 \)
\( 64232 = 39^3 + 17^3 = 36^3 + 26^3 = 2^3・7・31・37 \)
\( 65728 = 40^3 + 12^3 = 33^3 + 31^3 = 2^6・13・79 \)
で、nの部分を素因数分解するとでてくる素因数は、2,3,7,13,19,31,37,43と、飛び飛びになっています。
5,11,17,23などがでてこないのが、計算している数値nが小さすぎるせいなのか、それとも、永遠にでてくることがないのかわかりません。
気になったので、数値計算により、もう少し、大きな数で調べてみました。といっても、1000000ぐらいまでなのですが。
2通りの3乗和で表すことのできる自然数の素因数
地道にEXCELで計算してたのですが、結果として、994688までの自然数nで2通りの3乗和で表すことのできる自然数を総当りでみつけました。
\( 994688 = 92^3 + 60^3 = 99^3 + 29^3 = 2^7・19・409 \)
994688の素因数で一気におおきな素因数409がでてきて、素因数分解するのもたいへんになってきました。それまでの素因数は100ぐらいで収まっていたのに。
さて、計算間違いの可能性もありますが、結果発表です。
みつけた3乗和で大きいほうを書くと、先程かいた994688を除くと下記のようになります。
\( 920673 = 96^3 + 23^3 = 97^3 + 20^3 = 3^3・13・43・6 \)
\( 955016 = 89^3 + 63^3 = 98^3 + 24^3 = 2^3・19・61・103 \)
\( 984067 = 92^3 + 59^3 = 98^3 + 35^3 = 7^3・19・151 \)
そして、素因数にでてきた素数は、
2,3,5,7,13,19,31,37,43,61,67,79,97,109,127,139,151,409
でした。
5がでてくるのは、
\( 71^3 + 54^3 = 80^3 + 15^3 = 515375 = 5^3 7・19・31 \)
です。
5がでてこないと書いたのに、でてきました。しかし、80や15がすでに5で割り切れているので、こういうのは省いたほうがよいのかなと思ったり、5がでてきたので、やっぱり大きな数まで計算すると11もでてくるのかなと思ったり。
ラマヌジャン先生からのヒント
ラマヌジャン先生が発見した神がかった恒等式
\((x^2+9xy-y^2)^3 + (12x^2-4xy+2y^2)^3=(9x^2-7xy-y^2)^3 +(10x^2+2y^2)^3\)
があります。
先程は、EXCEL総当りでタクシー数をみつけたのですが、実は、これを使えば、タクシー数は無限に創出できます。
この恒等式から得られるタクシー数について素因数分解をするとまたなにかわかるかもしれません。
まとめ
タクシー数を素因数分解すると、5,11,17,23など素因数として出現しない素数があると思われたがもっと検索範囲を広げると5を素因数にもつタクシー数があることがわかった。
しかし、11,17や23などは未だでてくる気配がない。少なくとも出現率が低い素数というモノはあるようだ。
ラマヌジャンの恒等式から得られるタクシー数を素因数分解すると11,17や23を素因数にもつタクシー数が見つかるかもしれない。
ラマヌジャン先生が発見した神がかった恒等式のx^xはx^2の間違いかと思います。
aさん、訪問ありがとうございます。
そして、親切なご指摘、真にありがとうございます。
誤記のないようにいっそう努めてまいります。
ラマヌジャン先生が発見した神がかかった恒等式の導出みたいなやつとか書いてくれませんか?
なんか展開して確かめとか載せてほしいです
ラマヌジャンは知れば知るほどミステリーですね。
残念ながら私はラマヌジャンの作った公式の事は殆どわかりません。
すみません。
ウイキペディアの参考文献等を参照するとよいかと思います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%8C%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%B3%E4%BA%88%E6%83%B3#%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%8C%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E4%BA%88%E6%83%B3
ラマヌジャンは何千もの公式を書いた(残した)らしいですが、
その証明はラマヌジャン自身もわからなかったそうです。
なのにその、ほとんどは正しいらしいです。
(間違いもあったらしいです)
最近話題になった円周率に関する公式があります。
https://gendai.media/articles/-/84616?page=2
この公式です。
1/π=(2√2)/(99^2)Σ_{n=0}^{∞}((4n)!(1103+26390n))/((396^n n!)^4)
ラマヌジャンは1920年に亡くなっていますが、
この公式が正しいと証明されたのは1987年だそうです。
それまでは、この公式が正しいかどうか誰もわからなかったということですね。
このラマヌジャンの円周率の公式を改良した公式で現在は円周率を計算しているとのこと。
https://www.ccs.tsukuba.ac.jp/research-topics-v9/
ラマヌジャンのおかげで円周率の計算が桁違いに進展しました。
円周率の計算によって数学も発展しました。
https://mathlog.info/articles/3468
ラマヌジャンの公式の素晴らしさももちろんですが、それ以上に、
発見されていない数の神秘がまだまだ山のように埋もれているであろう事を示唆しているところにすごく惹かれます