デデキントカットで1の地点を切断してみます。
実数は有理数のデデキントカットで定義できる。
有理数をデデキントカットすると実数が作れる。
これは予備知識で持っているとして話を進めます。
有理数は実数に含まれると考えることができますから、有理数もデデキントカットの形で表すことができるはずです。
いうまでもなく、有理数の地点でデデキントカットしたのがデデキントカットでできた実数に含まれる有理数です。
したがって1地点でデデキントカットすると、
(1)A={x∈Q|x≦1},B={x∈Q|1≦x}はデデキントカットになりません。
(2)A={x∈Q|x<1},B={x∈Q|1≦x}はデデキントカットになります。
(3)A={x∈Q|x≦1},B={x∈Q|1<x}はデデキントカットになります。
(4)A={x∈Q|x<1},B={x∈Q|1<x}はデデキントカットになりません。
すなわち、1は有理数なので(2)または(3)の形で表現されているはずです。
0.999…が無理数だとするとデデキントカットは?
0.999…が有理数か無理数かすぐにわかるでしょうか?
もし、0.999…が有理数だとしたら、
A={x∈Q|x≦0.999…},B={x∈Q|0.999…<x}はデデキントカットになります。
A={x∈Q|x<0.999…},B={x∈Q|0.999…<x}はデデキントカットになります。
A={x∈Q|x<0.999…},B={x∈Q|0.999…<x}がデデキントカットになりません。
もし、0.999…が無理数だとしたら、
A={x∈Q|x≦0.999…},B={x∈Q|0.999…<x}はデデキントカットになりません。
A={x∈Q|x<0.999…},B={x∈Q|0.999…<x}はデデキントカットになりません。
A={x∈Q|x<0.999…},B={x∈Q|0.999…<x}がデデキントカットになります。
0.999…って一体どんな数なんでしょうかね。
A=(-∞,0.999…],B=(0.999…,∞)というデデキントカット
次のようなデデキントカットを考えます。
有理数Qを二つの集合
A={x∈Q|x≦0.999…}
B={x∈Q|0.999…<x}
に分けます。整数1は集合Bに含まれますよね?!
この切断(A,B)はデデキントカットになっているでしょうか?なっているとしたら、整数1はどちらの集合に属しているでしょうか?
答え
実数αをα=0.999…で定義します。
上で定義した切断(A,B)はデデキントカットになっています。
そして、1は集合A=(-∞,0.999…]に属しています。
つまり、(-∞,0.999…]=(-∞,1]です。
(-∞,0.999…]=(-∞,1)のように思えますが
実は、(-∞,0.999…]=(-∞,1]です。
[ad#foot]