極限の記号limは2段階の意味がある

注意深く観察すればわかることですが、極限には数列の極限と、関数の極限があります。

特に区別しなくてもまず混乱はないのですが、なにげに区別されているのですよ。

(実数でできている)数列は、見方をかえると、自然数から実数への写像ですから、定義域が自然数にもつ関数とも言えます。

こういう意味で、数列の極限は関数の極限の一部ともみなせます。

それでも、n→∞と書かれた場合は、nが自然数だけを取っているのか、実数も許しているのかの違いがあることは意識しておく必要があります。

 

両者の違いを示す簡単な例

例えば、簡単な例として

(A) an=sin(2π n)

という数列と

(B) f(x)=sin(2π x)

という関数を考えます。

(A)の場合、nは自然数の意味で書いた数列ですが、

\[\lim_{n→∞}a_n = 0\]です。

(B)の場合、xは実数の意味で書いた関数ですが、

\[\lim_{x→∞}f(x) = 不定 \]です。

このように、自然数だけで考える場合と実数で考える場合ではその振る舞いが違います。

 

別の例

こんどは別の例で考えます。

\[b_n=\frac{n}{n+1}\]

\[g(x)=\frac{x}{x+1}\]

これらの極限を考えてみますと、

n→∞のとき、bn→1

x→∞のとき、g(x)→1

となり、自然数だけで考えても、実数で考えても同じ結果になります。

自然数は実数に含まれていると考えることができますから、

普通に考えている問題は大概、実数で考えて問題ないわけです。

 

 

 

数列の極限と関数の極限の違いのまとめ

言葉の使い分けみたいなもので、もちろん違いはありますが、本質はどちらも同じです。

両者とも、「どの値に近づいていくか(発散するかも含む)」を調べている点て同じなわけです。

また、

数列の極限は関数の極限の特殊な場合とみなすことができます。
これは、数列が、「定義域が自然数である関数」とみなすことができるからです。

ですから、関数の極限がわかれば、数列の極限はわかったも同然です。
ただ、一般的に関数の極限というとき、関数の定義域は実数です。
場合によっては、実数の部分集合である場合もありますが。

 

数列の極限と関数の極限の簡単な意味

数列の極限は、数列がどの値に近づいていくのかを示しています。

関数の極限は、ある実数aに収束する数列{an}があったとき、関数f(x)の値f(an)がどの値に近づいていくのかを示しています。

また、ある無限大に発散する数列{an}があったとき、関数f(x)の値f(an)がどの値に近づいていくのかを示しています。