\( \log\)の記号がついている場合には、暗に真数条件が指定されています。

 

真数条件とは

\( \log_a x\)と書かれていると、暗に\(x \gt 0\)が仮定されているということです。

\( \log_a x\)の\(x\)の部分が真数と呼ばれているので、この条件のことを真数条件といいます。

 

よくあるのは、例えば

\( \log_a (x^2-1)\)といった式が合った場合、

\(x^2-1>0\)が暗に仮定されているということになります。

この場合言い換えると、\(x<-1\) または  \(1<x\)を暗に仮定して考える必要があります。

なぜなら、例えば真数条件を満たさないx=0では\(\log\)の意味(定義)がないからです。

 

 

例1

\( \log_a (x^2-1)\)

\( \log_a (x-1)+\log_a(x+1)\)

両者は似たように思えますが、定義されているxの範囲は違います。

 

\( \log_a (x^2-1)\)は、

\( \log_a (x-1)+\log_a(x+1)\)

を変形した式に見えますが真数条件が違っているからです。

 

\( \log_a (x^2-1)\)と書かれている場合の真数条件は、

\(x<-1\) または  \(1<x\)です。

 

\( \log_a (x-1)+\log_a(x+1)\)の場合の真数条件は、

\(x-1>0\)かつ\(x+1>0\)です。

したがって、\( \log_a (x-1)+\log_a(x+1)\)と書かれている場合は、

\(x>1\)を真数条件として考える必要があります。

 

logの式変形する時は、真数条件を考えて行う必要があります。

 

例2

\(\displaystyle \log_a \left(\frac{x+1}{x-1}\right)\)

\( \log_a (x+1)-\log_a(x-1)\)

の場合も同様に\(x\)の範囲は、違った条件が仮定されます。

 

\(\displaystyle \log_a (\displaystyle \frac{x+1}{x-1})\)

の真数条件は、

\(x\ne1\)で\(\frac{x+1}{x-1}>0\)が真数条件です。

これは、わかりやすく変形すると、

\(x<-1\)または\(x>1\)が真数条件です。

 

 

一方、

\( \log_a (x+1)-\log_a(x-1)\)の場合は、

\(x+1>0\) かつ \(x-1>0\)、

すなわち\(x>1\)が真数条件になります。

 

 

 

意外と真数を注意深く検証しなければ落とし穴に陥ってしまう可能性があります。

 

 

底の条件

\( \log\)には、真数条件だけでなく底の条件というのもあります。

通常は底は固定して考えることが多いのであまり注目されないのですが、底が変数(定数でない)場合には注意が必要です。

\( \log_a x\)の底の条件は、

\(a>0,a\ne 1\)

になります。

\(a>0,a\ne 1\)の場合には、\(\log_a x\)がうまく定義できないからこのような条件がつきます。

 

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