複素数係数の2次方程式
通常の2次方程式の解の公式では実数係数でないと不都合がありました。
それでは、複素数係数\(α,β,γ\)の2次方程式
\(αx^2+βx+γ=0\)
\(α=a+pi,β=b+qi,γ=c+ri\)
\(a,a’,b,b’,c,c’は実数, a+a’i \ne 0,\)
を解くにはどうしたらよいでしょうか?
根号の中が複素数であるという問題がありますが、
方程式の係数が複素数であっても、いわゆる解の公式自体は適用できます。
\[x=\frac{-β \pm \sqrt{β^2-4αγ}}{2α}\]
です。
まあ、これを解としても間違いではないのですが、
\(\sqrt{β^2-4αγ}\)の部分が問題です。
普通、方程式を解くといった場合は、
\[ A+Bi , A,Bは実数\]といった形であわわすことをさします。
\(\sqrt{β^2-4αγ}\)の部分は必ず実数になるとは限らないので
上記の解の公式の形では、解いたということにはならないのです。
もちろん、二重根号になっても根号の中が実数になるのであれば、
時と場合(問題の趣旨)にもよりますが、
解いた(解けた)と言えます。
本来、根号の中は正の実数またはゼロに限定すべきですが、
負の実数であっても、
機械的に虚数単位を用いて根号の中を正の実数に変換できるので、
そこは、記載の簡便さが許され
\[x=\frac{-β \pm \sqrt{β^2-4αγ}}{2α}\]
を係数が複素数の場合であったとしても解の公式という事はやぶさかではありません。
ただ、根号の意味を曖昧なく使うためには根号の中は実数であるべきで、
(そうでないと根号が表す数が複数の意味をもってしまう)
そういった意味でしか根号を使うことを許さないとするのなら、
\(αx^2+βx+γ=0\)
\(α=a+pi,β=b+qi,γ=c+ri\)
\(a,a’,b,b’,c,c’は実数, a+a’i \ne 0,\)
を解くには、最終的に
\(a,a’,b,b’,c,c’\)を用いて表現した公式を提示してこそ解いたといえるわけです。