495や6174がどんな数か?

予想もつきませんね。

なんの変哲もない、この数はカプレカ数と呼ばれている数です。

 

カプレカという数学者が考えた数に由来してカプレカ数と呼ばれています。

 

桁数によってカプレカ数が決まっているのですが、

3桁のカプレカ数が495、

4桁のカプレカ数が6174というわけです。

6桁のカプレカ数は549945です(631764というのもあります)。

 

5桁が飛びましたが、5桁のカプレカ数はありません

7桁のカプレカ数もなく、

8桁のカプレカ数は、63317664です。

 

 

カプレカ数

カプレカ数とは、数を桁ごとにバラバラにし、並べ替えてできる数の最大から最小を引いた数が元の数になる数のことです。

例をみたほうがわかりやすいです。

 

495は、4と9と5の3つの数からできています。

この3つを大きい順にならべると954ができ、小さい順に並べると459になります。

954から459を引くと、485となって元の数と同じになります。

ですから495は3桁のカプレカ数といいます。

 

こんどは、281で考えてみます。

2,8、1を並べ替えて大きいのから小さいのを引くと、

821-128=693ですから、もとの291にはなりません。

ですから、281はカプレカ数ではありません。

 

 

 

3桁のカプレカ数は495のみ

いろいろな数で試すとすぐにわかりますが、

3桁のカプレカ数は495しかありません。

100から999の数で試すとわかります。

 

こういうのは、ためしにいろいろな数で試すとしくみがよくわかってきます。

「カプレカ数を求めてみよう!」と

大命題に挑戦する前に、いろいろな数で

カプレカ数かどうか試してみると、

カプレカ数という数があまりないことがわかってきます。

証明は面倒ではありますが、難しくはありません。

 

4桁のカプレカ数は6174のみ

4桁の場合は計算がちょっと面倒です。

暗算が得意な人ならどってことないでしょうが。

4桁の場合のカプレカ数ですが、意外にも6174しかありません。

1個しかないのが、意外という意味です。

3桁の900個の数で1個なら、4桁の9000個ではもうちょっとあっても良さそうではないですか。

 

 

3桁のカプレカ数

覚えていれば、3桁のカプレカ数は、「495だよ!」

と知識で答えることができますが、

覚えていなくても、見つけることはそう難しくありません。

必要なのは、地味な根気です。

見た目が、難しそうと思ったら負けです。

「考えるより、まず手を動かせ!」

とはこの問題に当てはまります。

 

いろいろな数で実際に、計算すると、規則が発見されます。

「3の倍数がよくでてくる・・・」

 

 

 

確実は証明のしかたは、

1000から9999の4桁の数全てに対し、

それを並べ替えで大きいものから小さい数を引いた計算をすれば

証明になります。

泥臭いですが。

 

計算が苦手でも、今はエクセルで計算できますから、

カプレカ数の確認がすぐにできます。

さきほどの281の例をみてください。

差は、693でした。それぞれの桁が3の倍数になってる!

これは、281以外の数でもいろいろためすと、

すぐに気が付きます。

3の倍数が多くでてくるのです。

 

こんどは、188で考えてみました。すると、

881-188=693

あれ、また3の倍数!

 

 

これは、私が適当に考えた数でこうなりました。

 

535の場合で考えると、

553-355=198

この場合は9は3の倍数であるものの1や8は3の倍数ではありません。

 

3の倍数がよくでてくると思ってたのは間違いだったということがわかります。

 

いろいろここで試すと、

大きい数から小さい数を引くと、すべて9の倍数であることがわかります。

 

こういったいろいろな数値実験で、規則を発見することが得意な人は、頭が冴えている人といってよいと思います。

 

なお、実は3桁の場合、大きいな数から小さな数を引くと、実はすべて99の倍数になっています。

これをすぐに見抜けた人は相当数字に強いひとですね。

ここでいう数字に強いとは、数学的な数字の特徴付が強いという意味です。

 

「並べ替えてできる数の大きいほうから小さい方を引くと、99の倍数の数になる。」

これに気がつくと、カプレカ数を求めることが一気に進みます。

99倍の速度で進みます。

 

つまり、カプレカ数は99の倍数でなければならないわけですから、

カプレカ数がもし存在するとしたら、それは99の倍数です。

 

99の倍数で3桁であるものは、

「198,297,396,495,594,693,792,891,990」

の9個です。

99倍の速度で絞り込めました。

あとは、この中で実際にカプレカ数になっているかどうかをチェックすれば、

3桁のカプレカ数が495だけであることが確認できます。

 

が、4桁、5桁と進むと、これが骨が折れます。

まず3桁と違い99の倍数とは限りません

実際、カプレカ数6174は9の倍数ですが、99の倍数ではありません。

 

やはり、ここまでくるとコンピュータに頼ってしまいますね。

 

なにが難しいのかについては、これこを、4桁、5桁の数で

実際に最大の数から小さい数を引いてみればわかってきます。

その難しさが。

繰り下げが複雑にからんできて、

(私の思考力では)

なかなか規則が見いだせないのです。

 

 

エクセルでは、なんらかの工夫が無い限り、8桁までのカプレカ数を求めるのが限界ですかね。

 

 

カプレカ数を求めてみる

8桁のカプレカ数を求める最も原始的な方法は、8桁の自然数すべてにたいして、カプレカ数かどうかを調べることです。

ただ、いくらコンピュータが進化して高速に処理できるようになったとはいえ、8桁の数をすべてカプレカかどうかをチェックするには時間がかかりすぎます。

できないことはないですよ。

ほんと、最近のコンピュータは処理速度が高速で、昔のスーパーコンピュータ並の処理能力を持っていますから。

でも、同じコンピュータを使うにしても、できるだけ処理を軽減したほうにするに越したことはありません。

 

 

なお、桁数によってはカプレカ数がない場合があります。

5桁のカプレカ数はないことがわかっています。

 

このことからもわかるように、ある桁数でカプレカ数が「ある」のか「ない」のか、あったとしたら何個あるのかは、簡単にわかりません。

6桁のカプレカ数が何個あるのかも(すぐには)わかりませんが、1個でもいいから求めたいという気持ちで次のようない方法を考えてみました。

 

まず適当に6桁の数を思い浮かべます。

同じ6桁でもゾロ目の111111などはだめです。理由は考えればすぐにわかると思います。

このような数はカプレカ数になり得ないからです。

 

そこで、ここでは、まず、234567を最初に考えました。

これがカプレカかどうか、まず並べ替えの大きい数から小さい数を引きます。

 

説明のために今後、各桁の数字を大きい順に並べた数から小さい順に並べた数を引く操作をカプレカ操作と呼ぶことにします。

234567をカプレカ操作すると、

765432-234567を計算することになり、

530865が得られます。

 

こんどは、この530865に対してカプレカ操作を行います。

865530-035568

=829962

得られた数をさらにカプレカ操作して数を得ていきます。

この操作によって、数から数が生み出されてきますが、いずれか既存にでてきた数が生み出されるはずです。

6桁の数は無限に存在しないので。

 

既存にでてきた数が直前であれば、それがカプレカ数です。

 

ただ、この計算も、手計算でできなくはありませんが、結構面倒です。

この処理をコンピュータ(エクセル)に組み込んでやってみました。

すると、次のような数列が得られました。

765432
530865
829962
771723
653544
310887
873522
651744
620874
851742 (注目!)
750843
840852
860832
862632
642654
420876
851742 (注目!)

こようになり、851742でループ状態になってしまいました。

つまり、765432からカプレカ操作を行って次々と数を求めていくと、

途中から、

851742
750843
840852
860832
862632
642654
420876

のループ状態が続いてしまうということです。

765432の種はカプレカ数を生み出してくれませんでした。

 

この方法を使えば簡単にカプレカ数が求められると思っていましたが、そうは問屋がおろしてくれませんでした。

6桁のカプレカ数を求めるのには、さらなる工夫が必要ということです。

 

ちなみに、この方法は素因数を見つける方法(素数判定)に通じるものがあります。

与えられた数が、素数かどうかは簡単にはわからないですが、その数を適当な数で試しに割ってみて、運良く割り切れたら素数でない数(合成数)であることがわかります。

適当な数の見つけ方が肝になりますが、肝がみつかれば効率よく素数判定できます。

 

最初に選んだ適当な数によって、計算量が全然異なってくるという点で似ていますね。

 

カプレカ数も同様に、最初の数(種)をうまく見つけられたら、効率よく(少ない計算量で)カプレカ数を得ることができるわけです。

 

 

 

6桁のカプレカ数

ここまで読んでくださりありがとうございます。

4桁の場合は、特例を除くと、必ず6174に到達するので、6桁のカプレカ数も簡単に求められるとたかをくくっていたのですが、6桁の場合は、4桁のように簡単にはカプレカ数に到達しないことが実験の結果わかりました。

 

カプレカ数を求める方法を、いろいろ考えましたが、よい方法が得られず、

結局6桁のカプレカ数は総当たりで調べることにしました。

 

まあ、エクセルでも6桁ならカプレカチェックできます。

その結果、

549945 と 631764

の2つのカプレカ数を確認する事ができました。

 

 

一気に8桁のカプレカ数

8桁のカプレカ数も、なんとかエクセルでできますよ。

ちょっと時間がかかりましたが、

  • 63317664
  • 97508421

の2つの8桁カプレカ数を得ることができました。

一日二日ぶん回せば、9桁10桁も不可能ではないかもしれませんが、10桁になると桁落ちしてくるので、さらなるプログラミングテクニンクが必要になってきます。

プログラミングの練習として、よい課題かもしれません。

 

3桁のカプレカ数は序の口でしたが、8桁をやってみたらハマってしまったので、私の自由研究の素材にします。

 

カプレカ数のリスト

https://oeis.org/A099009

に掲載されていたので引用します。

 

0もカプレカ数ですが、それ以外に下記のカプレカ数があるそうです。

 

3桁のカプレカ数

  • 495

4桁のカプレカ数

  • 6174

6桁のカプレカ数

  • 549945
  • 631764

8桁のカプレカ数

  • 63317664
  • 97508421

9桁のカプレカ数

  • 554999445
  • 864197532

10桁のカプレカ数

  • 6333176664
  • 9753086421
  • 9975084201

11桁のカプレカ数

  • 86431976532

12桁のカプレカ数

  • 555499994445
  • 633331766664
  • 975330866421
  • 997530864201
  • 999750842001

13桁のカプレカ数

  • 8643319766532

14桁のカプレカ数

  • 63333317666664

 

全体的に3,6や9が多く出現しているような気がします。