最初に結論の公式を載せておきます。
タンジェントtan(x)の微分公式
\(\displaystyle \tan(x)^{\prime}= \frac{1}{\cos(x) ^2}\)
タンジェントの微分公式を忘れた時
\(\displaystyle \sin,\cos\)の微分は覚えているけど、この\(\displaystyle \tan\)の公式がうろ覚え・・・
こんなときには、他の微分公式を使って\(\displaystyle \tan\)の微分を作ります。
使用する公式
下記の3種類の公式を組み合わせてタンジェントの微分を作ります。
- sin,cosの微分公式
\(\displaystyle \sin(x)^{\prime}=\cos(x) \)
\(\displaystyle \cos(x)^{\prime}=-\sin(x)\) - 分数関数の微分公式
\(\displaystyle \left(\frac{f}{g} \right) ^{\prime}=\frac{f’g-fg’}{g^2} \) - 三角関数の基本公式
\(\displaystyle \sin(x)^2+\cos(x)^2=1\)
\(\displaystyle \tan(x)=\frac{\sin(x)}{\cos(x)}\)
タンジェントの微分の作り方
まず、三角関数の基本公式と分数関数の微分公式を使います。
\(\displaystyle \tan(x)=\frac{\sin(x)}{\cos(x)}\)
\(\displaystyle \left(\frac{f}{g} \right) ^{\prime}=\frac{f’g-fg’}{g^2} \)
この公式ですね。
これは基本になりますから、しっかり覚えておきましょう。
上記の公式に、
\(\displaystyle f=\sin(x),g=\cos(x)\)を適用すると、
\(\displaystyle \left(\frac{\sin(x)}{\cos(x)} \right) ^{\prime}=\frac{\sin(x)’\cos(x)-\sin(x)\cos(x)’}{\cos(x)^2} \)
三角関数の微分公式を適用すると、
\(\displaystyle =\frac{\cos(x)\cos(x)+\sin(x)\sin(x)}{\cos(x)^2} \)
\(\displaystyle =\frac{\cos(x)^2+\sin(x)^2}{\cos(x)^2} \)
分子に基本公式を適用して、
\(\displaystyle =\frac{1}{\cos(x)^2} \)
これで、\(\displaystyle \tan(x)\)の微分ができました。
コタンジェントcot(x)の微分公式
\(\displaystyle \cot(x)^{\prime}= -\frac{1}{\sin(x) ^2}\)
同様に、コタンジェント\(\cot\)(cotanと書かれることもあります)の微分も求めることができます。
\(\displaystyle \cot(x)=\frac{\cos(x)}{\sin(x)}\)
ですね。
分母と分子がタンジェントと逆になっているのが、コタンジェント関数です。
\(\displaystyle \cot(x)=\frac{1}{\tan(x)}\)
という関係になります。
コタンジェントの微分も、タンジェントの時と同様に分数の微分公式を使って求めます。
\(\displaystyle f=\cos(x),g=\sin(x)\)を適用すると、
\(\displaystyle \left(\frac{\cos(x)}{\sin(x)} \right) ^{\prime}=\frac{\cos(x)’\sin(x)-\cos(x)\sin(x)’}{\sin(x)^2} \)
三角関数の微分公式を適用すると、
\(\displaystyle =\frac{-\sin(x)\sin(x)-\cos(x)\cos(x)}{\sin(x)^2} \)
\(\displaystyle =-\frac{\sin(x)^2+\cos(x)^2}{\sin(x)^2} \)
\(\displaystyle =-\frac{1}{\sin(x)^2} \)
できました。
\(\cot\)の微分は、マイナスが付きます。
\(\displaystyle \cos\)の微分もマイナスがつきますが、それと似ています。