整数解を求める問題は、いろいろありますが、この問題は少し変わっています。

というのは、「計算式の結果が整数になる」という条件が少し変わっているのです。

問題

\(\displaystyle \frac{a+b^3}{ab}\)が自然数となる自然数\(a,b\)を求めよ。

解答

(1)\(a\)が素因数が持っていない場合、すなわち\(a=1\)の場合。

\( \displaystyle \frac{a+b^3}{ab}=\frac{1+b^3}{b}=\frac{1}{b}+b^2\)

であるから、これが自然数になるためには、\(b=1\)でなければならず、逆に\(b=1\)の場合、与式は自然数となる。

したがって、\(a=1,b=1\)は解の一つである。

(2) \(b\)が素因数が持っていない場合、すなわち\(b=1\)の場合。

\( \displaystyle \frac{a+b^3}{ab}=\frac{a+1}{a}=1+\frac{1}{a}\)

であるから、これが自然数になるためには、\(a=1\)でなければならず、逆に\(a=1\)の場合、与式は自然数となる。

したがって、\(a=1,b=1\)は解の一つである。

(3)\(a\)が素因数\(p_a\)、\(b\)が素因数\(p_b\)を持っている場合

\(n\)を自然数として\( \displaystyle n=\frac{a+b^3}{ab}\)と置くと、

\(abn=a+b^3\) である。

\(p_a\)を法(mod)として考えると、

\(a≡0 mod(p_a)\)であるから、

\(abn=a+b^3\) から、

\(0≡b^3 \mod(p_a)\)が導かれる。

すなわち、\(p_a\)は\(b\)の素因数である。

同様に、\(p_b\)を法(mod)として考えると、

\(b≡0 mod(p_b)\)であるから、

\(abn=a+b^3\) から、

\(0≡a \mod(p_b)\)が導かれる。

以上より、\(a\)と\(b\)は同じ素因数から構成される。

\(p\)を\(a\)の(すなわち\(b\)の)素因数の一つとし、

\(a=p^sh,b=p^tk\)
\(s,t は自然数,h,kはpと互いに素\)と置くと、

\(abn=a+b^3\) は、

\(p^{s+t}hkn=p^s+p^{3t}k^3\)となる。

\(s<3t\)であるとすると、

\(p^{s+t}hkn=p^s(1+p^{3t-s}k^3)\)、

\(p^{t}hkn=1+p^{3t-s}k^3\)となるが、これは\(t≠0\)であることから矛盾である。

また、\(s>3t\)であるとすると、

\(p^{s+t}hkn=p^{3t}(p^{s-3t}h+k^3)\)、

となるので、左辺の\(p\)の素因数の数は、\(3t\)より多くなり矛盾である。

したがって、問題の自然数解が存在するためには、\(s=3t\)であることが必要である、

すべての\(a\)の素因数\(p\)に対してこのことが必要になるためには、

\(a=b^3\)であることが必要であるという事である。

与式に、この関係式を代入すると、

\( \displaystyle \frac{a+b^3}{ab}=\frac{2b^3}{b^4}=\frac{2}{b}\)であり、

これが自然数になるためには、

今、\(b\)が素因数を持つ場合を考えているので、\(b=2\)以外は除外される。

\(b=2\)の場合\(a=8\)で、この場合、与式は自然数となる。

(1)(2)(3)の検討結果を総合すると、

\((a,b)=(1,1),(8,2)\)の場合に、与式が自然数となる。

答え、 \((a,b)=(1,1),(8,2)\)

考察

分子が分母で割り切れるようにすればよいので、新たに自然数をとる変数\(n\)を用いて

\( \displaystyle n=\frac{a+b^3}{ab}\)の自然数解を求める問題と考えることができます。

すると、問題は、\(abn=a+b^3\)の自然数解を求めよという問題と同じになります。

左辺が積の形になっていますから、左辺の素因数を調べることが解法への第一の手がかりとなります。

\(aやb\)は素数とは限らないことを注意深く考慮しないと、早とちりの論理展開となってしまいます。

以上です。