問題

3桁の整数ABCを\(\frac{3}{4}\)倍すると3桁の整数BCAになり、さらにBCAを\(\frac{3}{4}\)倍すると3桁の整数CABになります。このような3桁の整数ABCは全部で2つであり、 [①] と [②] です。


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パズルみたいな問題です。

整数の加減乗除ができれば、問題文は特に難しいところはありません。ABCという書き方が独特ですが、これは例えば、3桁の整数が456だった場合、A=4、B=5、C=6という意味です。

A、B、Cはそれぞれ異なる整数なのかもわかりません。異なる文字になっていますが、同じ数を表している可能性もあります。

問題はわかりました。999までの整数で試せば、全ての答えがでることもわかります。しかし、短時間に答えをださなければなりません。入試問題なので。

ともかく、問題文を式でかいてみます。

\[
\left\{
\begin{array}{l}
\left(100A+10B+C\right) \frac{3}{4}=100B+10C+A\\
\left(100B+10C+A\right) \frac{3}{4}=100C+10A+B
\end{array}
\right.
\]

要は、この不定方程式の整数解を求めよということになります。もちろん、\(0 \le A,B,C, \le 9\)の制約があります。


力技で解く

ともかく一般的に方程式を立ててそれを力技で解いてみます。

まず、連立方程式の分母を払って整数式にします。

\[
\left\{
\begin{array}{l}
300A+30B+3C=400B+40C+4A\;\;(1式)\\
300B+30C+3A=400C+40A+4B\;\;(2式)
\end{array}
\right.
\]

変数が巡回していて、わりと大きい数なので、やる気は失せるのですが、気合いれます。

\(296A-370B-37C=0\;\;(3式)\) //(1式)を整理
\(-37A+296B-370C=0\;\;(4式)\) //(3式)を整理

係数が絶望的な大きさなのですが、37で割れるところが救いです。これでぐっと計算しやすくなります。

\(8A-10B-C=0\;\;(5式)\) //(3式)を37で割る
\(-A+8B-10C=0\;\;(6式)\) //(4式)を37で割る
\(-8A+64B-80C=0\;\;(7式)\) //(6式)を8倍
\(54B=81C\;\;(8式)\) //(5式)+(7式)
\(2B=3C\;\;(9式)\) //(8式)を27で割る
\(8B=12C\;\;(10式)\) //(9式)を4倍
\(A=2C\;\;(11式)\) //(10式)-(6式)

これらからまとめて
\[
\left\{
\begin{array}{l}
A=2C\\
B=\frac{3}{2}C
\end{array}
\right.
\]

となります。

A,B,Cが9以下の自然数であることを考えると、Cの取りうる値は、2,4のみとなります。

よって、A=4,B=3,C=2
または、A=8,B=6,C=4

つまり、432と864が答えとなります。

意外と与えられた条件は厳しいと思ったのですが、ちゃんと、答えがありました。

計算は面倒ですが、うまく解を導くことができました。

コメント

力技で解きました。試験中にこんな余裕はないと思いますが、振り返って見返すときには、別のやり方で解くのもなかなかいい勉強になります。解の構造もよりわかってきます。解としては不適ですが、\(A=B=C=0\)も上記問題ででてきた(1式)、(2式)連立方程式の解となります。もちろん、000という数は3桁の整数といわないので、解から除外されるのですが、題意を満たしている数と考えられなくもないです。

通常の解法

参考までに、受験生が使ってあろう方法も書いておきます。

まず、3桁の整数、ABC,BCA,CABをそれぞれ\(x,y,z\)と表すことにします。

問題文より、\(x\frac{3}{4}=y,y\frac{3}{4}=z\)ですから、まず、この関係式をみたす\(x,y,z\)を求めます。その解の中から\(\frac{3}{4}\)を掛けて、文字が巡回するものを選択します。

\(\frac{3}{4}x=y,\frac{3}{4}y=z\)をもっと簡単にすると、

\(3x=4y,3y=4z\)ですから、\(9x=12y=16z\)がわかります。

この式から、素数2や3の性質をつかって\(x\)は16の倍数、\(z\)は9の倍数であることがわかります。

\(9x=12y=16z\)を144で割ると

\(\frac{x}{16}=\frac{y}{12}=\frac{z}{9}\)ですので、\(x:y:z=16:12:9\)であるわけです。

3桁の整数でこのような比率の整数をもとめて、そのなかから題意を満たすものを選択して答えとします。

\(z\)が9の倍数というところから、\(C+A+B\)は9で割れるということがわかります。これって、\(x,y\)も桁の位置は違ってもそれぞれの桁にでてくる数はどれも、\(A,B,C\)なので、結局、\(x,y\)も9で割り切れることになります。

\(x\)に注目すると、16の倍数でもあって、9の倍数でもあることになりますから、\(x\)は16*9=144の倍数であることがわかります。

これでかなり\(x\)の候補が絞り込まれました。

つまり、\(x\)の候補は、144,288,432,576,720,864となります。

この6個のなかから題意を満たしているものを選択して解を得ます。

こっちの解法の方が、解いている感じがしますね。