[msg#wsiki]
問題
点Pから曲線\(y=\sin^2 x (0≦x≦\pi)\)に引いた2つの接線が直行するように点Pの座標を定めよ。
解答(解き方)
問題をぱっと読むと、求めるPは複数(無限)にあるように思えますが、Pは1つの点に限定されるのでしょうか?
よく問題文を読みます。\(x\)の範囲があるのでそこから絞り込まれそうです。
しかし、たとえ\(x\)の範囲が絞り込まれていてもPが一つに定まるとは思えません(これは私の感覚の問題)。
ある程度、答えについてイメージ(図を書いたりして答えの当たりどころを探る)するのですが、ちょっとこの問題の場合は答え(点P)がどのあたりにくるのかイメージするのがむづかしいと思います。
しかたないので、式を頼りに、解いていきます。
まず、二つある接点のx座標をα、βと置きます。
\((α、\sin^2 α)\)で接する直線の方程式を立てます。
直線の傾きは曲線を微分した式から求められます。
・曲線\(y=f(x)\)上の点(a,f(a))を通る接線の方程式
\(y-f(a)=f^{\prime}(x) ( x-a)\)
・三角関数の微分公式
\( (\sin x )^{\prime} = \cos x \)
\( (\cos x )^{\prime} = \sin x \)
・三角関数の公式(2倍角の公式)
\( 2\sin α \cos α = \sin(2α) \)
・傾き\(m\)と\(n\) ただし\((m,n≠0)\)の直線が直行しているとき、
\(mn=-1\)
この問題の場合は、直線の傾き\(2\sin α \cos α\)で
接点\((α、\sin^2 α)\)を通る接線の方程式は、
\(\displaystyle y- \sin^2 α = \sin (2α) (x- α)\)
となります。
同様に
接点\((β、\sin^2 β)\)を通る接線の方程式は、
\(\displaystyle y- \sin^2 β = \sin (2β) (x- β)\)
となります。
2つの接線は直行していますから、傾きが直行していると考えます。
よって、
\( \sin (2α) \sin (2β)=-1\)
この方程式を解くことになりますが、
ここで三角関数の性質を使います。
\(-1≦\sin(2α)≦1\)、
\(-1≦\sin(2β)≦1\)です。
これから、驚きの結果がでてきます。
なんと、解がピンポイントとなっています。
α、βは対称的ですから、
\(α≦β\)と仮定してもかまいません。
この仮定で上記方程式を解くと、
\(\displaystyle 2α=\frac{\pi}{2},2β=\frac{3\pi}{2}\)
となり、2つの接線の方程式が一通りに確定されます。
接線の交点が点Pの座標ですから、この二つの方程式をとけば答えをえることができます。
\(\displaystyle y = \sin (2α) (x- α) + \sin^2 α\)
\(\displaystyle y = \sin (2β) (x- β) + \sin^2 β\)
\(\displaystyle α=\frac{\pi}{4}\)
\(\displaystyle β=\frac{3\pi}{4}\)
の4つの方程式からx,yを求めていきます。
\(\displaystyle \sin (2α) (x- α) + \sin^2 α = \sin (2β) (x- β) + \sin^2 β\)
\(\displaystyle \ x- α = – (x- β) \)
\(\displaystyle \ 2x = α+ β \)
\(\displaystyle \ x = \frac{\pi}{2} \)
\(\displaystyle y = \sin (2α) (x- α) + sin^2 α\)
\(\displaystyle y = \frac{\pi}{2}- \frac{\pi}{4} + \frac{1}{2}\)
\(\displaystyle y = \frac{\pi+2}{4}\)
答え
Pの座標は、
\(\displaystyle \left( \frac{\pi}{2}, \frac{\pi+2}{4} \right)\)
[ad#foot]
その他の問題: 関数の極限に関する問題 数列の極限の問題一覧 数列の極限に関する問題2
[ad#nekob]