ここでいう2次不等式とは、変数が一つ(ここではその変数をxとする)の2次式からなる不等式の解の集合を求める問題をいいます。

例えば、
「不等式 x2-2x+3>0 を満たすxの値(範囲)を求めよ。」
というような問題です。

解にはパターンがあります。その解のパターンは、判別式の値、不等号の向きによって、見分けることができます。

2次不等式の解にはいろんなパターンがある

1次不等式の場合と比べて2次不等式の解にはいろんなパターンがあります。すべてての実数が解になることもあれば、解が全くない場合もあります。

どんなパターンがあるかといえば、

  • すべての実数が解になる時
  • まったく解がない時
  • たった一個が解になる時
  • たった一個が例外になる時
  • ある区間の範囲(区間の両側含む)が解になる時
  • ある区間の範囲(区間の両側含まない)が解になる時
  • ある区間の範囲(区間の両側含む)以外が解になる時
  • ある区間の範囲(区間の両側含まない)以外が解になる時

これだけあります。

解き方

一見ややこしそうに見えますが、グラフと関連付けて解くのが一番わかり易いし、覚えやすいです。問題集などでは、あっさり答えだけ書かれている場合もあると思います。例えば、「判別式が正でxの2次の係数は正である。よって解はすべての実数となる。」このような感じで。

グラフを書かなくても答えは出てきますが、それでも思考の過程ではグラフが頭の中に思い浮かべないと、単に答えを計算しただけの理解に終わってしまいます。実にもったいない話です。

どんなグラフを考えるのかというと、不等式の項をすべて左辺に移行した式(右辺を0にする)をyと置いた関数(y=ax2+bx+cの形式)のグラフです。この場合のグラフは2次関数ですので放物線となります。

例えば、上であげた例  x2-2x+3>0 が問題にあった場合、 y=x2-2x+3 のグラフを考えます。このグラフとx軸との交わり具合から解が求まるのです。

必要に応じて負の数を掛けておき、2次の係数を正にしておきます(つまり上の例で係数aは正にしておく)。この操作をしなくても解けますが、私はいつも、2次の項の係数を正にして解きます。そのほうが、間違いにくいからです。

なお、注意することは、2次の係数などを正にするために、両辺に負の数を掛けるときは、不等号の向きを変えるのも忘れないようにする事です。不等号の向きを間違えることによって、答えが全く逆になってしまいます。

 

判別式

なぜか、解答に判別式が云々と説明に使われることがあります。これは、判別式の符号によって、放物線のグラフがx軸と交わるか、接するか、交わらないかを判別するために使われます。

ちなみに、判別式とは、b2ー4ac で計算する値のことです。

  • 判別式が正の場合、放物線はx軸と2点で交わる。
  • 判別式が0の場合、放物線はx軸と接する(1点で交わる)。
  • 判別式が負の場合、放物線はx軸と交わらない。

 

等号と不等号の向きで解を決める

まずは、等号について。問題に等号がついているかついていないかで、x軸との交点(接点)が解に含まれるか含まれないか、変わります。

等号がついているときは、交点(接点)は解に含まれます。ついていない場合は、解に含まれません。等号の有り無しでは交点を解に含むか含まないかの違いなので、以下、等号が含まれない場合に解がどうなるかを考えます。

まず、左辺が大きい場合の解の状況です。

  • 判別式が正で、左辺が大きい場合、区間の外側が解になります。
  • 判別式が0で、左辺が大きい場合、交点以外が解になります(問題に等号がある場合はすべての実数が解になります)。
  • 判別式が負で、左辺が大きい場合、すべての実数が解になります。

右辺が大きい場合は、上記の逆が解になります。すなわち

  • 判別式が正で、右辺が大きい場合、区間の内側が解になります。
  • 判別式が0で、右辺が大きい場合、解なしになります(問題に等号がある場合は接点のみが解になります)。
  • 判別式が負で、右辺が大きい場合、解なしになります。

 

例題1(等号なしの問題)

x2-2x+3>0について解いてみます。

2次の係数が正(負でない)なので、両辺にマイナスを掛ける必要はありません。

判別式が4-12=-9で負です。したがって、放物線y=x2-2x+3 はx軸と交わりません。

不等号は、左辺が大きい(不等号の向きが「>」)ですから、判別式が負の左辺が大きいパターンとなり、答えは「すべての実数」となります。

 

例題2(等号つきの問題)

-x2-2x+3≧0について解いてみます。

2次の係数が負ですので、両辺にマイナスを掛け、

x2+2x-30について解くことになります(不等号の向きを逆にして解きます)。

判別式が4+12=16で正です。したがって、放物線y=x2-2x+3 はx軸と2点で交わります。

交わるので交点を求めます。交点の求め方は解の公式を使う方法でもよいのですが、ここでは因数分解できるので、それを利用します。

x2+2x-3=(x+3)(x-1)と因数分解できるので、交点は-3と1です。

不等号は(先程逆転したので)右辺が大きい(不等号の向きが「≦」)ですから、判別式が正の右が大きいパターンとなり、答えは「-3≦x≦1」となります(問題の不等号は等号を含んででいるので解も等号を含めた形にします)。

 

まとめ

  • 2次不等式の解はいろいろなパターンがある。
  • それらは、判別式の符号、等号の有無、不等号の向きによってパターンが決まる。
  • パターンとグラフを関連付けて理解したほうが、パターンを覚えやすい。
  • 間違いを減らすために、2次の項は正に変形しておいた方がよい。
  • 不等式の両辺に負の数を掛けるときには不等号の向きを変えるのを忘れない。
  • 判別式が負の場合に、「すべての実数」や「解なし」といった解のパターンになる。