48にはたくさんの約数があります。それらの約数をもれなく、すべて求め、求めた約数を全部足した数、全部掛けた数を計算する方法です。48を例に説明していますが、他の数であっても同じようにできます。ここで、単に約数と書いてあるのは正の約数の事を意味します。

ある数の、すべての約数を足してできる数をその約数の総和とします。

ある数の、すべての約数を掛けてできる数をその約数の総積とします。

48を例にし、約数の個数、約数の総和、約数の総積を求める方法を考えます。

解き方についてですが、「約数といえば、素因数分解」これにつきます。

約数の事を調べるにはまず素因数分解から始めます。

48の約数

さっそく、48を素因数分解します。

48=243 となります。

参考:素因数分解のやり方

 

48の約数の一覧

素因数分解したら、約数を順番よく並べて書き表します。慣れてきたら、この操作は規則正しく並んでいることがわかるので、すべて書かなくても計算できるようになりますが、ここでは愚直にすべて書いてみます。

規則正しく順番通りに並べて書くと、もれなくすべて求めることができ、確認もしやすくなります。

1 ,  21 ,    22 ,    23 ,    24 ,
31 ,  2131 ,  2231 ,  2331 ,  2431

あえて規則がわかるように、1乗のところも指数を書いておきました。これで下準備は完了です。

計算すると48の約数は、1,2,4,8,16,3,6,12,24,48 となります。

小さな数なので、全ての約数を求めることができていますが、これを例にして、約数の個数や総和、総積について、その求め方を考えてみます。

 

48の約数の個数

48すべての約数が求められていますので、それを数えます。

これも、単純に数えるのではなく、「1,21,22,23,24」をひとかたまりにして数えます。約数は、かならず、このような塊の構造をしています。5個あります。実は、48の素因数分解した243 をみただけで、この塊が5個からなっていることがわかります。24の指数4に1を足した数になっているので。

次に、3がついてる約数ですが、3を除くと、上の塊とおなじになります。つまり、「31,2131,2231,2331,2431」の塊も5個です。

5個の塊が2個あるので、約数の個数は5×2で10個あることがわかります。これが個数の答えです。

塊をみて個数を数えるようにすると、大きな数であっても、素因数分解から個数は簡単に計算できます。

約数の個数は、「素因数分解した指数の掛け算になっている」ただ、1を足すのをお忘れなく。

48=2431の場合、2の指数は4,3の指数は1ですので、それぞれ1を足して掛けると,5×2の式ができます。

 

48の約数の総和(すべての約数を足す)

約数の個数のところで、約数の構造を説明しました。この構造から足した数についてもわかります。

説明のために、全部足した式を書きます。

(1+21+22+23+24)+(31+2131+2231+2331+2431)

かたまりをかっこでくくっておきました。

分配法則で塊の右側は3でくくれます。

(1+21+22 +23+24)+(1+21 +22 +23+24)31

さらに分配法則を使って今度は塊でまとめます。

(1+21 +22 +23+24)(1+31)

ここでは規則がわかるように指数の1も書いていますが、もちろん、指数の1は省略して書いてもよいです。

(1+21 +22 +23+24)や(1+31)は等比級数の形なので、この足し算は公式で求めることができます。

公式の説明はここでは省略しますが、その公式を使うと

\( 1+2+2^2+2^3+2^4=\frac{2^5-1}{2-1}=31 \)

\(1+3=\frac{3^2-1}{3-1}=4\)

となりますので、それらをかけて、総和は、31×4=124

答えは124です。

 

48の約数の総積(すべての約数を掛ける)

今度は、約数を全部かけてみます。

1 ,  21 ,    22 ,    23 ,    24 ,
31 ,  2131 ,  2231 ,  2331 ,  2431

をすべてかけ合わせればよいのですが、ここで、ちょっと工夫します。

先頭から順にかけるのでなく、1番めと最後、2番めと最後から2番めと組にして掛けます。

1  × 2431
21 × 2331
22 × 2231
23 × 2131
24 × 31

すると、この組の答えはいつももとの数48(=243)になります。

この場合、243を5個かけることになりますので、答えは(243)5=22035

全部掛けたこたえは、大きな数になり計算は時間がかかりますが、素因数分解で書くことは簡単な計算でできます。

ちなみに、22035=254803968です。

例題

類題として、72の約数の個数、総和、総積(素因数分解)を求めてみます。

答え

72=2332 なので

72の約数の個数=4×3=12個

72の約数の総和=(1+2+4+8)(1+3+9)=(16-1)(27-1)/2=15×13=104

72の約数の総積=726=218312 (計算機で計算すると139314069504)

となります。

まとめ

  • 約数の問題は素因数分解を使う
  • 約数の個数は指数に1を足してかける
  • 約数の総和は級数の公式で求めた数をかける
  • 約数の総積は最初からと最後からの組をかけて計算する

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