完全数とは

ある自然数の約数の総和がその自然数の2倍になっているとき、その自然数を完全数という。

[ad#top]

例:6の約数は、1,2,3,6であるから、その総和は12となる。これは6の2倍だから6は完全数である。

完全数の約数を逆数にそて総和をとると、2になる。

先程の6の例で確かめてみると、

1/1+1/2+1/3+1/6=2

となっている。

これは、

1/1+1/2+1/3+1/4
=(1+1/2)(1+1/3)
=(1+2)(1+3)/6
=(1+2+3+6)/6
=12/6
=2

となっていることからもわかる。6の例で計算したが、他の完全数の場合も同様にして計算できる。

完全数の約数を逆数をとって総和をとると2になる。

 

3倍完全数(逆数の総和が3である自然数)

逆数和が2である場合は完全数というが、自然数によっては逆数和が3になる場合がある。

具体的には120がそうである。120の約数の総和は360であるが、これは120の3倍である。

約数の逆数和が3になる自然数を3倍完全数と呼ぶ。

120は3倍完全数である。

自然数672=25・3・7も3倍完全数である。

似たようにして、4倍完全数、5倍完全数、なども定義できる。

すぐにわかるように、素数の約数の逆数和は、(1+1/p)<2であるから素数は不足数であって、完全数ではない。

完全数は合成数である。

いくつか完全数を求めてみると、なんとなく特徴がある。

3倍完全数はあまり見つかっていないが、オンライン整数列大辞典で公開されている3倍完全数を素因数分解すると、

120=23・3・5
672=25・3・7
523776=29・3・11・31
459818240= 28・5・7・19・37・73
1476304896=213・3・11・43・127
51001180160=214・5・7・19・31・151

となっていて、素因数2をたくさん持っている自然数という特徴がある。

3倍完全数も(2倍)完全数とにたような素因数分解の形をしている。

[ad#foot]

合成数の約数の逆数和

約数の逆数和は、合成数であればあるほど(因子をたくさんもっているほど)大きな数になる。

素数は約数が少ないのでその逆数の和が2にもみたないことは先にみた。

素数pのn乗の約数の逆数和を考えてみると、

\[ \frac{p^{n+1}-1}{p^{n}(p-1)} \lt 2\]

と計算されるから、これが自然数となることはありえない。

単項因子の自然数はすべて不足数である。