オアの調和数(Ore’s harmonic number)の定義
Ore(「オレ」でなく「オア」と読むそうです)は、ノルウェーの数学者の名前です。
調和数を調べていたらでてきました。歴史があるだけあって整数問題は、初等的な問題であっても未だ未解決の問題だらけです。
正の整数nに対する約数関数σk(n)を次のように定義します。
\[ σ_k(n) = \sum_{d|n} d^k \]
つまり、自然数nの約数をk乗した総和を返す関数です。
σ1(n)は、自然数nの約数の総和となります。また、σk(n)は乗法的です。
H(n)で自然数nの約数に対してその調和平均を表します。
これがオアの調和数という数になります。式で表すと
\[ H(n):=\frac{n \sigma_0(n)}{\sigma_1(n)}\]
となります。
H(n)が整数になるとき、nをオアの調和数と呼びます。
1は自明な調和数です。
6は非自明な最小の調和数です。
小さな数で調和数をリストアップします。
n | H(n) | n | H(n) | n | H(n) |
1 | 1 | 270 | 6 | 6220 | 10 |
6 | 2 | 672 | 8 | 8128 | 7 |
28 | 3 | 1638 | 9 | 105664 | 13 |
140 | 5 | 2970 | 11 | 33550336 | 13 |
これは、H(n)≦13である調和数nのリストにもなっています。
コンピュータで計算できます。
命題
すべての完全数は、調和数です。
\[ nが完全数 \Rightarrow H(n)=\frac{\sigma_0(n)}{2} \]
から示せます。つまり、nが完全数であれば調和数でもあるわけです。
オアの予想
予想命題
1を除くと
「すべての調和数は偶数である。」
これが俺ではなく、オアの予想です。もし、この予想が正しければ、奇数の完全数は存在しないことが示された事になります。
1が調和数であるのに、全ての調和数が偶数であるのはおかしい
すみません。
おっしゃるとおりです。
1は奇数でした。
訂正いたします。
ありがとうございました。