点が集まって線ができるとします。

もちろん、有限の点では線にはなりませんが、「無限に集まると線になるであろう!」と考えたくなりますね。

 

無限の個数を数えるのは、至難の技です。

というか、無限の個数を数えるのは、不可能です。

なのに、なんとか無限を手中に収めようとあの手この手でアプローチがありますが、無限の魔の手にはひとたまりもありません。

 

 

無限を取り扱った数の体系はイロイロ考えられています。

その中でも一番有名で、実践的であるのが、超実数(hyperreal number)でしょう。

無限大も無限小も普通の数のように使えるよ!

なんてセールストークに胸を焦がしていませんか?

私も、相当惚れ込んでいました。

 

無限大も扱える超実数でいろいろなものを数えてやろう!

そう思ったのです。

 

しかし、現実はそう甘くはありません。

数えるということと、無限大を取り扱うということは、似ていても全く違うレベルの話なのです。

超実数でも点の個数を表すことはできません!

 

 

線の長さとは

 

円周率を求めるために、直径1の円を考え、その円周の長さを考えますよね。

直線ならまだしも、円のように曲がっている線の長さはどうやって測ればいいのでしょうか?

小学校のとき、円柱に紐をまきつけて、その紐の長さを図って、円周率がだいたい3に近いことを習いました。

精度のよい紐と円柱を使えば、さらに詳しく正確に円周率が求められることも習いました。

 

しかし、この方法はある程度の桁数までの円周率を求めるには有用ですが、限度があります。

紐の長さなんて実際には一定ではないし、巻きつけるというのがどういうことか、紐に太さがある以上誤差は避けられません。

 

そこで、理想的な円を思い描き、幾何学的に円周の長さを求める方法など論理的な計算で円周率を求める世界に入っていくわけです。

 

そして、高校生になって微分積分を習って初めて、線の長さに関する定義を知ることになるのです。

その定義は、はっきりいって、複雑です。

そう見えます。なんでこんなに複雑な式で計算しないといけないのか?

そして、幾何学を習って、長さとはなにかが、実はよくわかってないことに気が付きます。

 

 

点の数で長さは測れない

簡単にいうと、普段の私達が使っている長さとは、線を短い線分を繋いだものを考え、短い線分の長さの合計を長さとしています。

 

普通の考え方ですね。

 

一方、線は点が集まってできていると考えることができます(できないかもしれませんが)。

ということは、点の個数と線の長さにはなんらかの関係があるのではないか?

そう思いますよね。

しかし、この発想はもろくも崩れ去ります。

泣きたいです。

 

どういうことかというと、点の個数が数えられないという原始的な問題になんとも立ち向かえないのです。

 

無限だから数えられない、それもあります(というか実際はそれに尽きるのですが)。

しかし、問題の本質はもっと奥深いのです。

考えてみてください。

 

1cmの線分と2cmの線分とでどちらが多くの点を含んでいると思いますか?

どちらも無限ですよね。

できれば、2cmのほうに、1cmの長さの線分の2倍の点があって欲しいのですが、それを示すことはできません。

線分を構成している点を数えるのなんて、不可能なのです。ましてや、二つの線分上の点の個数を比較するなんて夢物語です。

 

線分の属性値である長さと、線分を構成している点の個数は独立した属性です。

ということは、線が点から構成されていると考える時点ですでに無限の狭間に落ち込んでしまったと言えます。