解の公式の覚え方
最初は、なかなか覚えられない2次方程式の解の公式ですが、これは苦労しても丸暗記するほどの価値があります。いろいろな問題を解きながら覚えるほうが、結果的に忘れにくく、思い出しやすいです。
それぞれの人によって、最適な覚え方に差がありますが、何度も唱えて覚えるよりは、私は解の公式の導き出し方を覚えるのが一番良い方法だと思います。このほうが、aだっけ、bだっけなどという係数のうろ覚えがあっても、補完したり修正できるからです。
最終的に私は、「2a分の-b±ルートb二乗マイナス4ac」と語呂合わせなどは使わずに、式をそのまま読んだ形の文言で覚えています。式をただ読み合わせるのでなく、aがでてきたら2次の係数(の位置)を、bがでてきたら一次の係数(の位置)を、cがでてきたら定数項(の位置)を思い浮かべながら暗唱しています。そのほうが、実際に解の公式を適用するときに、代入しやすいからです。
解の公式は、下記のように3つのパーツにわかれています。
- パート1:2a
- パート2:–b
- パート3:b2-4ac
\[\frac{パート2 \pm \sqrt{パート3}}{パート1}\]
上のように、解の公式は、3つのパーツでできています。一番重要な部分は、ルートの中の\(b^2-4ac\)
です。つぎに、ルートの前の-bで、最後のパーツが分母の2aです。
これら3つのパーツを分数、±、√の記号で組み立てると解の公式となります。
一番重要で判別式と呼ばれるルートの中が複雑な形をしていますが、残りの2つのパーツはa,bと単一係数からできています。それぞれ、2とマイナス記号が付属していますが、解の公式に出現する係数の順番としては、分母の2a、分子の先頭の-b、ルートの中にしか出現しないcと、a,b,cの出現順が並んでいます。あまり重要でない分母の2aから始まり、最も重要な判別式の部分で係数cがでてくる順序です。このような特徴もあわせて覚えると、思い出しやすくなります。
見かけは暗号のような形の公式ですが、これこそが、2次方程式の本質が詰め込まれた最終形態なのです。
使い方
例題として、
x2+2x+3=0
を解の公式で解いてみます。
まず、x2の係数をみます。1ですので、2倍して、パート1の2a=2を完成させます。
\[\frac{パート2 \pm \sqrt{パート3}}{2}\]
次に、xの係数をみます。2ですので、それを-1倍し、パート2=-2を完成させます。
\[\frac{-2 \pm \sqrt{パート3}}{2}\]
最後に、判別式部分です。b2-4acの計算ですが、方程式の真ん中(xの係数)を2乗し、4をメモリーしておきながら、2次の係数と定数項を掛けて4倍します。12になりますので、これを先程メモリーしておいた4から引きます。4-12=-8これが判別式、つまりルートの中身です。
\[\frac{-2 \pm \sqrt{-8}}{2}\]
あとは、この式を整理して、
\[x=-1 \pm \sqrt{2}i\]
と解を得ることができます。
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