∞に発散する数列
∞に発散する数列がたくさんある。
そのような数列の比をとると、必ずしも1になるわけではない。つまり、∞にもいろいろあるということである。
a=\{3 n\}、b=\{ n^2\}の2つの数列はどちらも∞に発散する。
また、a,bから作られる新しい数列、c=\{b_n/3 n\}、という数列も∞に発散する。これが∞にもいろいろあるという説明の例である。
∞に発散する数列の集合
∞に発散する数列がどれくらいあるかというと、これまた無数にある。なぜなら、2つの∞に発散する数列からまた別の発散する数列が生成できて、これは無限に続けることができるから。
それならば、∞に発散する数列をあつめて集合Sを作る。この集合Sに順序を導入する。
∞に発散する数列の順序
S=\left\{ x =\{ x_n\} \left| \lim_{n→∞}x_n =+∞ \right. \right\}
a=\{a_n\} \in S 、b=\{ b_n\} \in S とする。
a \le b \underset{def} ⇔ 0 \le \lim_{n→∞} (b_n -a_n) または → ∞
で順序を定義する。
問題は、この順序でSに最小となる数列が存在するかだ。
∞に最小値は存在しない
m=\{m_n\} \in S をS の最小元だと仮定する。
すなわち、任意の x \in S に対して m \le x とする。
m/2=\{m_n/2\} \in S であるから、m の最小性より m \le m/2 である。
ところが、 \lim_{n→∞}{m_n/2-m} =-∞ であるので、 m \le m/2 に反する。これは矛盾。
よって、 m=\{m_n\} \in S はS の最小限ではない。
結論
最小の無限大は存在しない。
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