比較も演算の一つとして考えられるが、ここでいう比較は、いわゆる大小関係のことである。

比較は演算と表裏一体に働く作用であるから特別扱いして、「数は比較できる。」これを数の性質として追加する。

実は、これまでも、数と数が等しいかどうかを決定するために、ある種の比較がされている。等しいかどうかだけも比較でなく、その他の比較についても数を調べるために有効な手段であるので特別扱いするのである。

基本的には、大小比較がその中心となる比較であるが、幅を広げて、比較可能、比較不可能の場合も比較の対象として考える。集合を数として見立てた場合には、集合の包含関係などは比較の代表例であるから、あるときは、集合も数として広い意味で数を考える。

つまり、ある数の性質をもつものは、一般の数とは区別されるが、広い意味では数とみなす。先ほどの集合の例と別の例をあげると、ある数列全体、ある関数全体(の集合)も数である。それは関数同士の演算が定義できるからであるが、一般に数とは呼ばないものも、視点を変えて数としての性質に注目し、数とよぶことがあるのである。

数とはなにか、で問われているのはこの広い意味での数を意味している。

本質を探り当てようとするあまり、抽象的な考察ばかりだと、抽象度に比例してイメージも漠然としてしまうので、通常、数といったら、自然数や実数のことをさしており、集合や、数列、関数、などのような固有の名称で呼ばれている広い意味での数は、それら固有の名称で呼ぶこととする。

なお、このサイトで考察する大きなテーマは、これまで比較演算があまり議論されない、代数的な数(いわゆる群、環、体の要素)に対して比較演算がどう定義できるかを考察することである。