無限について、その性質を表している有名な話が無限ホテルの話である。

部屋が無限にあるとどうなるか。そんなホテルは現実にはありえないが、数を考える上ではいたるところに無限ホテルが存在しているのである。

例えば、実数を小数表示で表したとしよう。実数は、小数第n位の部屋に0、1、…9という客が住んでいる状態とみなせる。小数点表示というのは、無限ホテルに泊まっている客の状態を表しているとみなせる。

無限ホテルは満室でありながら、いくらでも空き室を作ることができるのである。それも、無限に空き室を作ることができる、不思議なホテルだ。

通常、この無限ホテルの各部屋は自然数と対応つけられる。自然数が無数にあるため、無限ホテルの部屋は無数にあるのだ。このせいで、いくらでも空き室をつくることができるし、逆に空き室があっても住人を移動することで満室にすることができる。部屋が空いているのか空いていないのかよくわからないホテルなのである。

数式を書いて考察してみよう。これは数式を用いて表すと、無限+有限=無限、無限+無限=無限ということになるであろうか。この等式の左辺の左の項はホテルの状態を表す。無限というのは満室の意味だ。左辺の右の項は、新客が入った数のことであって、有限の人数の場合と、無限の人数の場合と分けて考えた。有限の空き部屋を作る操作と、無限の空き部屋を作る操作があるので、このような等式を得たのであるが、注意深く考えると、無限の空き部屋があれば無限の新客をすべて収容できるかどうかについては慎重に考察すべきであろう。無限-無限は?無限ホテルをすべて空にできるのであろうか?

真剣に考えるのなら、客が部屋を移動するときに、どういった手順で移動させるかをもっと正確に決めて置く必要性がある。それによって、空き室ができたりできなかったりする可能性があるからだ。

この例から考えると、我々は通常、無限とは数というよりは、状態を表す「もの」として考えていることがわかる。無限とはなんらかの状態を表しているだけで、数としての性質はカタワである。この状態としての無限をなんとか数として扱いたいのであるが、それは儚い夢なのであろうか。

 

※無限ホテルをネタにした無限マンションの話しが面白いので紹介しておきます。「こちらの記事」を参考にしました。