無限ホテル(ヒルベルトホテル)

ふたたび、無限ホテル(ヒルベルトホテルと呼ぶのが専門的のようだ)の登場である。
可能無限、実無限の概念をつかって、再度無限ホテルについて考えてみる。

無限ホテルは、満室であっても新しい来客が来たら宿泊可能であった。果たしてそれは本当だろうか。

満室の状態から、空き室を作る方法は、1番めの部屋の客は2番めに、2番めの部屋の客は3番めへと、部屋番号に1を足した部屋番号へ移動する方法であった。
しかし、この操作が実際に可能かどうかを考える。

ホテル支配人は、各部屋へ移動願いを通知することになるのだが、ここでどのように通知したらよいのだろうかということである。

仮に何らかの方法で、全ホテル宿泊客に、移動通知することができたとしよう。さて、1番めの客は2番めの部屋へ移動することになるが、2番めの部屋が空いているだろうか。
それは、2番めの客が3番目の部屋に移動していたら可能であるが、3番めの部屋があいているかどうかは、・・・とここで無限地獄が待ち受けているのである。
なにせ、ホテルの客は、無限であるから、結局本当に全室の客が移動可能かどうかは無限の彼方の客室次第であって、この無限の彼方の客室は実際には可能無限の制約から存在しない客室であって、1番めの部屋が空き室になることはないのである。

それでは、こんどはちょっと考え方を変えて、1番めの部屋の客は2番めの部屋に客がいようとも構わず、無理やり2番めの部屋へ移動したとしよう。それから、2番めの客が3番めの客室へ無理やり移動、こうすれば、1番めの部屋は空き室となりうる。しかしだ、この方法で果たして全客が隣の部屋へ移動できたであろうか?なにせ、この部屋移動の回数は無限回行われるのである。ここにも可能無限が潜んでいる。この部屋移動は可能無限の制約から永遠に終わることがないのである。アキレスが亀に追いつかないのと同じ原理で、客の部屋移動は永遠に終わらない。

となると、ホテル支配人は、無限にある全客室に一斉に移動依頼を通知する必要がある。客の移動を一斉に行うことで、有限時間内で移動が可能となる。ホテル支配人は実無限の操作(一斉通知)が可能である前提で無限ホテルの経営がうまくいくのである。

まとめ

無限ホテルの運営がうまくいくかどうかは、ホテル支配人の能力による。