チリが積もれば山となる。おおよそ、大きさが同じくらいのチリであれば、これは正しい。一番小さいチリの大きさをεとした場合、任意の自然数Nに対して、

$$N \lt mε$$

となる自然数mが存在する。

つまり、山Nがどんなに大きくでも、十分大きな自然数m個のチリが積もれば山より大きくなるということだ。実数はアルキメデス的であるからそう言える。

しかし、これはチリが最小値を持つ場合の話だ。チリの大きさが最小値を持たない場合、必ずしも山となるとは限らない(最小値がなくても、山になることはある)。

チリの大きさがどんどん半分になっていったとしよう。最初のチリの大きさを1としたとき、積もったチリの大きさは、

$$1+\frac{1}{2}+\frac{1}{2^2}+\frac{1}{2^3}+\cdots$$

と表すことができる。よく知られているように、上記の級数は収束して2を超えることがない。すなわち2より大きな山にはなり得ないのである。

項が無数にあっても山にならない、これが級数の妙である。

積もるか積もらないかを判定する方法はあるが、どの方法であってもグレーゾーン、言い換えると、積もるか積もらないか判定できないゾーン、がある。

つまり単純な判定方法はないってことだ。

 

数の奥深さを痛感するところである。どんなに調べても追求しても、99%わかったとしても、残りの1%がなにかと、つかみどころのない部分として残ってしまい、その1%を追求すると、また新しい世界が広がってしまうのだ。

 

※ここでいう山とは無限大のこと