これは、解答がない問題であって、これをパラドックスというのか疑問ですが、無限級数がでてくるパラドックスなので、メモしておきます。

トムソンのランプとは

ランプにスイッチがついていて、そのスイッチでランプ(の明かり)をつけたり、消したりできます。
まず、スイッチをONにして明かりをつける。
それから、1秒後にスイッチをOFFにして明かりを消す。
それから、1/2秒あとに、明かりをつける。
それから、1/4秒あとに、明かりを消す。
スイッチを切り替える時間を半分にしていくと、最初にスイッチをいれてから2秒後に明かりがついているか、消えているか?

という問題です。

いきなり解答

私の考えた末の答え「決定できない」。

なぜなら、2秒後にスイッチをONにするかOFFにするか問題に書かれていないから。

だいたい、このような解答が一般のようです。

私は、これをもうすこし掘り下げてみたいと思います。

1/2秒後にランプの明かりはついているか、消えているか?

最初にスイッチをONにしてから1/2秒後は、最初にスイッチをいれてからまだ1秒経過していないため、ランプの明かりがついているはずです。したがって、この答えは、ついている。

異論はないでしょう、屁理屈をいわないかぎり。それでは、1秒あとについて問います。

1秒後にランプの明かりはついているか、消えているか?

1秒後は、スイッチOFFと書かれています。スイッチはOFFです。しかし、ランプの明かりは?

もちろん、スイッチとランプの明かりは連動していますよ、ここで時間差は考えません。

OFFだから、消えている。これで正解でよいでしょう。

え!?簡単すぎ?

瞬間のパラドックス

私が問いただしたかったのは、1秒後という瞬間のことです。1秒後の瞬間は1秒前に含まれるのか、1秒後に含まれるのか、それともどちらにも含まれないのか。それのことです。

わかりにくいと思うので、x軸を時間、y軸をランプの明かり状態(0が消えている、1がついている)と考えてください。

つまり、ランプの明かり関数f(t)を次のように定義します。

時間tでランプの明かりがついているときには、f(t)=1です。
時間tで明かりが消えているときは、f(t)=0です。

さて、この関数f(t)は連続でしょうか?不連続ですね。

それでは、トムソンのランプに連動したこの関数f(t)のt=1の値はなんなんでしょう。

\(f(1)=0?\\
f(1)=1?\\
f(1)=1/2?\)

それを問いています。

問題には瞬間のことは書かれていませんね。

本当の答え

1秒後にランプの明かりが付いているか消えているか 答え「決定できない」

なぜなら、トムソンのランプ関数(点いているか消えているかを表す関数)は連続でない。したがって、連続関数でないその関数の不連続な点での値は決定することができない(定義次第でいかようにも決定できる)。

 


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