ルート(√)がありますが、これは整数問題です。ちょっと変則的な数学的帰納法を使います。

最後の方で、この問題の「発展」についても記載しました。

ただ解くだけではつまらないですから。

 

 

問題

\(p=2+\sqrt{5}\)とおき、自然数n=1,2,3,…に対して、
\[a_n=p^n+\left(-\frac{1}{p}\right)^n\]
と定める。以下の問いに答えよ。ただし、設問(1)は結論のみ書けばよい。

(1) \(a_1,a_2\)の値を求めよ。
(2) \(n\ge2\)とする。積\(a_1a_n\)を、\(a_{n+1}とa_{n-1}\)を用いて表わせ。
(3) \(a_n\)は自然数であることを示せ。
(4) \(a_{n+1}とa_n\)の最大公約数を求めよ。

以上が問題です。

 

 

 

 

解答例

(1) \(a_1,a_2\)の値を求めよ。

これは計算するだけですので、簡単ですね。すなおに代入してもとめてOKでしょう。

\(-1/p=2-\sqrt{5}\)はあらかじめ計算しておきます。

\(a_1=p+(-1/p)=2+\sqrt{5}+(2-\sqrt{5})=4\)
\(a_2=p^2+(-1/p^2)=4+4\sqrt{5}+5+(4-4\sqrt{5}+5)=18\)

 

(2) n≧2とする。積\(a_1a_n\)を、\(a_{n+1}とa_{n-1}\)を用いて表わせ。

これがちょっと難しいです。式の特徴をよくみないと、ごちゃごちゃ式になってうまくいきません。

できるだけ、式の特徴を活かすために、展開したり、約分したりしないようにする方がよいですが、このあたりは日頃の直感力かと思います。

数列の定義式に、わざわざ分数を使かって\(1/p\)と書いてあるのは、ヒントなんですが、\((-1/p)=2-\sqrt{5}\)で、有理化したほうがわかりやすいと思って、さらには、\(a_1=4\)を使ってしまうと、

\(a_1a_n=4(2+\sqrt{5})^n+4(2-\sqrt{5})^n\)
\(a_{n+1}=(2+\sqrt{5})^{n+1}+(2-\sqrt{5})^{n+1}\)
\(a_{n-1}=(2+\sqrt{5})^{n-1}+(2-\sqrt{5})^{n-1}\)となって、

これから、どう手をつけたらよいのか、手がとまってしまいます。

\(a_1=4\)を使わず、\(a_1=(2+\sqrt{5})+(2-\sqrt{5})\)を使うと、道が開けます。

\( ((2+\sqrt{5})+(2-\sqrt{5})) ((2+\sqrt{5})^n+(2-\sqrt{5})^n))\)
\( =(2+\sqrt{5})^{n+1}-(2-\sqrt{5})^{n-1} -(2+\sqrt{5})^{n-1}+(2-\sqrt{5})^{n+1} \)
が得られます。ここまでくれば、\(a_1a_n=a_{n+1}-a_{n-1}\)がすぐにわかります。

冴えていれば\(q=-1/p=2-\sqrt{5}\)とおいて、

\(a_n=p^n+q^n,p+q=4,pq=-1\)の関係式から、
\(a_n=a_{n+1}-a_{n-1}\)を楽に得ることができます。

答えがわかってしまえば、なんてことないですが、こういった変形は数多くの問題をといてセンスを磨かないとできないものです。この問題の場合、\(pq=-1\)がうまくきいて、簡単な答えになりまた。

 

 

(3) a_nは自然数であることを示せ。

\(a_1,a_2\)を求めた時に、ビビットきたかと思います。

実は、ある整数係数2次方程式の二つの解をα、βとおいて、\(α^n+β^n\)を求めよ、などという問題を解いたことがあると手がかりを得ます。この場合、解と係数の関係から、α+βとαβが整数になり、また、\(α^n+β^n\)は対称式なのでこの式はα+βとαβの組合せの式になります。そこから\(α^n+β^n\)も整数であることはわかります。ただ、これは対称式の理論が必要なので、入試の解答に使うのはやめたほうがよいと思います。この証明でも数学的帰納法が活躍します。

(2)ができていれば、数学的帰納法で簡単に証明できます。

\(a_{n+1}=4a_n+a_{n-1}\)ですから、この漸化式から証明できますね。

書き方は形式的ですが、n=k,k-1のときに成立すると仮定してn=k+1の時を証明するので、ちょっと変則的な数学的帰納法になります。

書き方は形式的になるのでここでは割愛します。

 

 

(4) \(a_{n+1}とa_n\)の最大公約数を求めよ。

(1)の答えから、\(a_2,a_1\)の最大公約数は2であることがわかります。

なんとなくこれが答えっぽいですが、ひょっとしたら、\(2^n\)のように、nに依存している可能性もあるので、油断できません。解答を書く前に\(a_3,a_4\)を求めて答えを予測してみるのがよいと思います。(2)(3)を使えば、\(a_3,a_4\)は簡単に計算できますので。

\(a_3=4a_2+a_1=4*18+4=76\)
\(a_4=4a_3+a_2=4*76+18=322\)

ちょっと数字か大きいですが、これらから最大公約数を求めると、2になるので、答えは2で間違いないようです。

最大公約数を求めるために、ユークリッドの互除法を使います、これを知らないとこの問題はかなり厳しくなってしまいます。

ユークリッドの互除法とは、「自然数a>bの最大公約数は、a=pb+r(r>0)とすると、bとrの最大公約数と同じ」という定理です。

a_nの漸化式がちょうど互除法摘要の形になっているので、そこから示すことが可能です。

最終的には、\(a_2,a_1\)の最大公約数と同じとなり、2が最大公約数であることがわかります。

 

 

 

まとめ

  1.  与えられた式は展開(計算)しないで特徴を温存する。
  2.  変則的な数学的帰納法の証明例である。
  3. α+β、αβが整数なら、\(α^n+β^n\)も整数である。
  4.  ユークリッドの互除法で最大公約数が求められる。

 

 

発展

 

共役

\(2+\sqrt{5}\)と\(2-\sqrt{5}\)は同じ2次方程式\(x^2-4x-1=0\)の解になっているので、共役と呼ばれます。共役複素数とはちょっと違うのですが、似ている部分もあります。

 

代数的整数

\(2+\sqrt{5}\)と\(2-\sqrt{5}\)は、最高次の係数が1の整数係数多項式の解であるので、代数的整数と呼ばれる数です。

\((2+\sqrt{5})(2-\sqrt{5})=-1\)から、\(2+\sqrt{5}\)と\(2-\sqrt{5}\)は、なんと1の約数です。奥深いですね、代数的整数。

 

逆の問題

この問題は、数列の一般項から漸化式を求める問題になっていますが、これの逆(答えから問題を導く)を考えると、漸化式の一般項を求める問題となります。

逆問題

\(a_1=4,a_2=18,4a_n=a_{n+1}-a_{n-1} (n\ge2)\)の数列の一般項を求めよ。

 

逆問題の答え

\[a_n=p^n+\left(-\frac{1}{p}\right)^n, ただしp=2+\sqrt{5}\]

3項隣接の漸化式の一般項を求める問題も多いです。この問題もできるようにして、さらなるパワーアップを図りましょう。