問題
\(n^4+n^2+1\)が素数となるときの整数nの値をもとめよ。
素数かどうか、nにいろいろ代入していけばわかるのですが、・・・。
解答例
因数分解できることがミソです。
\(n^4+n^2+1\)
\(=(n^4+2n^2+1)-n^2\)
\(=(n^2+1)^2-n^2\)
\(=(n^2-n+1)(n^2+n+1)\)
この式の値が素数となるためには、片側の因子が1以外の約数をもってはならないから、
\(n^2±n+1=±1\)(複合任意)を満たすn以外にはない。
\(n^2±n+1\)が±1以外の整数になったら、1以外の約数があることになってしまう。
方程式\(n^2±n+1=±1\)をみたす整数nはn=-1,0,1の3個あるが、
これらのnのうち、\(n^4+n^2+1\)が素数かどうか確かめる。
n=0の場合は、\(n^4+n^2+1=1\)となり、1は素数でないから不適。
\(n=-1と1\)の場合は、\(n^4+n^2+1=3\)となり素数となるから、\(n=-1と1\)は解である。
答え
\(n^4+n^2+1\)が素数となるのは、nが-1または1の時であって、いずれのときも素数3となる。
類題
\(n^4+4\)が素数となるときの整数nの値を求めよ。
類題の答え
n=-1と1のときでいずれにしても素数5となる。
ヒント:\(n^4+4=(x^2-2x+2)(x^2+2x+2)\)を利用する。
練習問題
次の式が素数になるときの自然数\(n\)の値を求めよ。なお、かならずしも、解があるとは限らない。
- \( n^4+4 \)
- \( n^4+n^2+1 \)
- \( n^4-2n^2+1 \)
- \( n^4-3n^2+1 \)
- \( n^4-6n^2+1 \)
- \( n^4-7n^2+1 \)
- \( n^4-11n^2+1 \)
- \( n^4-14n^2+1 \)
- \( n^4-18n^2+1 \)
- \( n^4+3n^2+4 \)
- \( n^4-5n^2+4 \)
- \( n^4-8n^2+4 \)
- \( n^4-12n^2+4 \)
- \( n^4-13n^2+4 \)
- \( n^4-20n^2+4 \)
- \( n^4+2n^2+9 \)
- \( n^4-3n^2+9 \)
- \( n^4+5n^2+9 \)
- \( n^4-7n^2+9 \)
- \( n^4-10n^2+9 \)
- \( n^4-15n^2+9 \)
- \( n^4-19n^2+9 \)
- \( n^4-n^2+16 \)
- \( n^4+4n^2+16 \)
- \( n^4+7n^2+16 \)
- \( n^4-8n^2+16 \)
- \( n^4-9n^2+16 \)
- \( n^4-12n^2+16 \)
- \( n^4-17n^2+16 \)
まとめ
多項式が因数分解できると、素数である条件が相当に絞り込まれる。
逆にいうと因数分解できる多項式は素数の値をとらない(一部の例外を除いて)。
因数分解できない多項式の場合には、一般に素数かどうかすぐにはわからない。mod2やmod3,mod4などで多項式を因数分解できれば、なんらかの手がかりを得る。
たとえば、類題\(n^4+4\)の場合、nが偶数なら、n^4+4が4で割り切れることはすぐにわかる。
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