微分の定義がよくわかっていないと解けない(解けたと言えない)問題です。
問題
\(x=a\)で微分可能な関数\(f(x)\)について、次の等式を証明せよ。
\(\displaystyle \lim_{h→0}\frac{f(a+h)-f(a-h)}{h}=2f'(x)\)
解答
\(f(x)\)は、\(x=a\)で微分可能であるから、
\(\displaystyle \lim_{h→0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}=f'(a)\)である。
\(\displaystyle 左辺=\lim_{h→0}\frac{f(a+h)-f(a-h)}{h}\)
\(\displaystyle =\lim_{h→0}\frac{f(a+h)-f(a)-f(a-h)+f(a)}{h}\)
\(\displaystyle =\lim_{h→0}\left(\frac{f(a+h)-f(a)}{h}-\frac{f(a-h)-f(a)}{h}\right)\)
\(\displaystyle =\lim_{h→0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}+\lim_{h→0}\frac{f(a-h)-f(a)}{-h}\)
\(k=-h\)とおくと、\(h→0\)の時、\(k→0\)となる。
\(\displaystyle =\lim_{h→0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}+\lim_{k→0}\frac{f(a+k)-f(a)}{k}\)
\(\displaystyle =f'(a)+f'(a)=2f'(a)\)
考察
\(x=a\)で微分可能というのがどういう意味なのかというと、
\(\displaystyle \lim_{h→0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}\)が存在する(値を持つ)という意味です。
ですから、この定義の式にも続いて解くというのがこの問題の主旨となります。
以上です。